自治会の問題と悩み

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

自治会のある会員から、次の2つの理由から自治会費の集金と引き換えに全戸に「領収書」を発行すべきだとの強い要望が寄せられました。

 

 (1)先般、コロナ下で実施した総会の書面審議で会員に署名捺印をした議決書の提出を求めました。会員は議決への参加の権利を持っていると同時に、自治会費の納入の義務を負っており、議決書に署名捺印を求めるなら、自治会費の納入も、正規な領収書の発行・交付で応えるべきだ。

 

 (2)自治会費の集金は現在組長に委ねられているが、近所付き合いが疎遠化している中で、何の証も無しでお金のやりとりが行われているのは危険この上ない。しっかり領収書を発行して交付すべきだ。

 

世の中一般の商取引上では、お金のやり取りは領収書の発行・交付は当たり前であるが、自治会では組長と住民の間の日頃の付き合いや、絆で口頭でのやり取りが通常化してきて今日に至っています。

 

自治会の監査役にも相談の結果、会員からそういう要望が出されたのであれば、実施の方向で方策を考えたらどうか、の指導がありました。

 

一方で、現在、組長の仕事は、自治会費の集金に止まらず、行政からの通知文書の隣組回覧、各種募金集め、地元守り神のお札の集金などなど手間が多く、何とか集約したり、減らしたりすることに懸命になっている矢先です。

 

領収書の全戸発行・交付は、組長の手間が増え、抵抗があるかも知れません。

 

「生活情報交換会」の中に、自治会役員を経験している会員がいたり、先進都市の東京の仲間にも自治会役員経験者がいるので、聞いて見ましたらどこの自治会も、全戸に領収書を発行・交付している自治会はありませんでした。

 

希望のある会員には、発行・交付していますが、全戸一律に発行している自治会は皆無でした。

 

長い間に、組長さんの労度軽減もあって、「自治会費(集金)管理表」のような書類を持参し、集金の消込みを行うなどして便法が確立し、今日に至っているようです。

 

これ等の調査と、提案者の意向、監査役の指導も考慮して、自治会費(集金)管理表」はこれまで通りとし、その上に、自治会費領収証(袋)」を用意し、もらった月数欄に組長の認印を押して返却し、いつも袋は住民が持っているようにすることで、

次回の組長会に提案することに内定しました。

 

自治会には、長い間の風習や、規則があって、昨今の変化に対応出来ていません。

 

隣組の種々な役割は、順番制で90歳の一人暮らしのお婆さんも、6人暮らしの賑やかな世帯も、自治会費も役割も平等で回って来ます。

 

腰をかがめて、防災の消火係の訓練にも、90歳のお婆さんが出てきます。

 

一体どうなっているのでしょうか。

 

これからいろいろと改善をすべきことが多々ありますが、一方でイベントや行事の縮小の要求も絶えませんし、役員になり手も少なくなってきました。

 

今、都会の自治会は、活動範囲を狭め、自治会費も必要最小限に抑えているようですが、田舎の自治会はどうあるべきでしょうか。

 

非常に悩む今日この頃です。