「家庭ごみの減量シリーズ NO.11」ごみは宝の山

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

9月17日から「家庭ごみの減量シリーズ」を毎日書き始めて、今日(9月27日 火)は11日目(NO.11)です。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますが、分別の方法はごみの種類毎に全く変わりますので、生ごみ」・「雑紙」・「古布類」・「プラスチック」・「使用済天ぷら油」・「剪定枝・草等」、順番に論じてきました。

 

資源ごみ(ビン・缶・新聞紙・ダンボール等)の分別は当たり前で習慣化しましたが、生ごみ等生活ごみは、「燃えるごみ袋」にごちゃまぜに入れて、焼却センターで高いコークスや石油を使って焼いています。

 

あたかも焼くことが当然のように習慣化していますが、分別すれば全て資源化できるもので、実はごみと言われるものはなく、宝の山なのです。

 

 ■ 生ごみ → 堆肥化・飼料化

 ■ 雑紙  → リサイクルしてまた紙に

 ■ 古布類 → 発展途上国リユースに、リサイクルして繊維に

 ■ プラスチック → リサイクルして新たなプラスチックに

 ■ 使用済天ぷら油 → トラックやバスや農業機械の燃料(軽油)に

 ■ 剪定枝・葉っぱ・幹・草類 → 堆肥に

 

今回の「家庭ごみの減量シリーズ」では、ごみの種類毎に、なぜ「燃えるごみ袋」に入れるのか、どんなクセがそうさせているのか、習慣化してしまった「悪いクセ」をどう「良いクセ」に直して行ったらいいのかを論じて来ました。

 

これを解決する方法は一つだ。

 

市民が自ら現状の異常さに気が付き、市民が反省し、市民が対策を考え市民が実行し、市民が評価して、ごみを無くして行くしかないのだ。

 

いくら啓蒙しても、いくら指導しても、市民がその気にならなければ成果は上がらない。

 

三菱総研理事長の「小宮山 宏」さんは、「日本は資源の輸入国であり、これまで輸入した資源を完全にリサイクルして行けば、もう資源を輸入することは不要だ」と言っていますが、やや極端な発言乍ら、「ごみという物」はない、を言い当てていると思います。

 

ごみが全くゼロになることはありませんが、現在は余りにも安易に燃やしていませんか。

 

一般市民の代表者と、長年ごみの減量に取り組んで来た市民グループと、事業者・若手の行政マンでワーキングを持って短期間で結論を出したいものだ。

 

「しまだ環境ひろばの日記」を読んでくれた、市民グループの代表Sさん(主婦)は

 

  ■ ゴミ削減に向けては、みんな少なからず意識はあるものの実生活に結びつかない…と言うよりも「知らない」んだと思います。

 

  ■ 減らす手段を知らないのはもちろん、今私たち(地球)が危機的な状況に置かれているということを知らない。知っていたとしても、危機感がないから行動できないと言いそして、ごみ減らしは「楽しく」やらなければ進みませんね、とメールを寄せてくれました。貴重な意見でした。

 

やることは決まっているので、どうして楽しくやるかです!

 

「家庭ごみの減量シリーズ」は、明日(9月28日)でひとまず最終回としたい。

 

折しも、「広報しまだ 9月号」で、染谷市長さんが自ら書いている「市長羅針盤ごみの減量を切実に訴えています。

 

明日は、「市長羅針盤 ごみ減量に秘策はあるか」を題材にして論じ、最終回としたいと考えています。

 

お楽しみに!

「家庭ごみの減量シリーズNO.10」剪定枝・葉っぱ・草等は堆肥化で!

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

9月17日から「家庭ごみの減量シリーズ」を毎日書き始めて今日で10日目(NO.10)です。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますが、その方法はごみの種類別に大きく異なりますので、生ごみ」・「雑紙」・「古布類」・「プラスチック」・「使用済み天ぷら油」の順で論じて来ました。

 

ごみの種類毎に、悪いクセがついてそれが習慣化して、当たり前のように「燃えるごみ袋」に安易に入れている結果が、ごみの量が高止まりしている原因です。

 

近隣の市町と比べて一人当たりのごみ排出量が1.3倍、ごみ処理の経費はダントツ、島田市に行けばごみ処理がと言われるまでになってしまいました。

 

近隣市町との差は明らかに分別の差一方は苦労して島田市「楽チン」です。

 

何とかしなければなりませんが、ごみの減量はその種類ごとに全く違いますので、今日は、「剪定枝や草等」について考えて行きましょう。

 

草取り(草刈り)で出た「草類」、樹木の剪定で出た「枝・葉っぱ・幹」が、バカにならない量です。

 

一般家庭では、早く片づけたいばかりに青いままの生木を「燃えるごみ袋」に入れるので、重量は重く、焼却センターでは中々燃えにくく、燃料食いのごみです。

 

幅60cm以内にして紐で縛り、太さ20cm以内ならごみ袋に入れなくとも、燃えるごみとして排出できる。

 

一般家庭が排出する「草や剪定枝類」は、燃えるごみ扱いで無料で排出が可能ですが、大量の場合とか、造園業者さんが市の焼却センターに持ち込む場合は有料です。

 

造園業者さん等が持ち込む剪定枝や葉っぱは、質が良いので島田市では「剪定枝堆肥」にして市民に安価で売り出し非常に好評です。

 

家庭ごみの「草・剪定枝」は焼却センターでコークス・石油で焼却しています。

 

家庭から排出される「剪定枝」も堆肥化すべきですが、品質がバラバラで堆肥化が難しく已む無く焼却の対象になっています。

 

本来、「剪定枝・葉っぱ・幹・草類」は、陽に干して副資材(ヌカ・油粕・土等)を加えて時々天地返えしをしてやれば、微生物が介在して自然発酵し堆肥化できるものです。

 

筆者も市民農園に参加していますので、自宅の草・剪定枝は市民農園に持ち込んで自然発酵させて土にすき込んでいます。

 

従って、農家や庭・菜園・畑を持っている家庭には、しっかりした指導をすれば上質の堆肥ができ、わざわざホームセンターで購入しなくても良いことになります。

 

また、里山を持つ農村地域の家庭は、共有の土地を確保して「剪定枝・葉っぱ・幹・草」を置いて共同堆肥場をつくれば自立できる筈である。

 

また、民間に任せれば、これらを無料で引き取り、機械を導入して破砕し、副資材を加えて発酵させ、素早く堆肥化することをシステム化し事業化するのではないか。

 

大きな農家さんなら、市民や造園業者さんが協力するなら無料で引き取るかもしれない。

 

いずれにしても、「剪定枝・葉っぱ・草等」は、うまい仕組みを考えれば焼却することはなくなる。

 

燃料食いの「剪定枝・葉っぱ・草等」は、「燃えるごみ袋」への混入を禁止し、市が中心になって有識者を集めて、どこかに堆肥場設置を図るべきだろう。

 

早急に構想を進める必要がある。

「家庭ごみの減量シリーズNO.9」使用済み天ぷら油はごみ車両の燃料に!

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

9月17日より「家庭ごみの減量シリーズ」を毎日書き始めて、今日(9月25日 日)で9日目(NO.9)です。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」に尽きますが、ごみの種類別に分別方法は全く異なりますので、生ごみ」・「雑紙」・「古布類」・「プラスチック」の順番で論じて来ました。

 

今日は「使用済みの食用油(天ぷら油)」について考えて行きましょう。

 

島田市は、「使用済の植物性食用油の回収システム」を構築し、島田市役所他合わせて10カ所専用回収BOXを設置して回収をしています。

 

しまだ環境ひろばでは、平成21年から数年間、中溝町コミュニティ農園(約300坪=1,000㎡)で「菜の花プロジェクト」を展開しました。

 

菜の花プロジェクトとは、菜種をトレイに播いて苗づくり・移植・菜の花まつり・刈り取り・乾燥・脱穀・選別・搾油し、菜種油を近隣の保育園に寄贈、使い終わった菜種油を回収し、市役所の専用回収BOXに排出までの一連の活動を指す。

 

菜の花プロジェクトは滋賀県がルーツで、循環型社会づくりの典型的活動ですが、島田市でも小さな地域活動でしたが、地球温暖化防止・温暖化ガスの排出量削減に貢献してきました。

 

今は菜の花プロジェクトは解散し、使用済みの天ぷら油は各自で市の指定する回収場所に排出していますが当時は、中溝町コミュニティ農園に持ち寄りまとめて排出していました。

 

市は現在、10ヶ所の回収場所から集めた使用済てんぷら油を静岡市「静岡油化工業(株)」という会社に供給し、静岡油化工業はこれを精製、供給した量に見合う「精製された軽油を受け取り、市の「ごみ収集車」の燃料に使うという仕組み。

 

現在、島田市では使用済の天ぷら油は年間で7,000~8,000リットルを回収し、それに見合う量の軽油が焼却センターの車両に使われているという。

 

 ※ 仕組みが発足した当時は、ごみ収集車の燃料に使われたということで話題性がありましたが、どうやら今はごみ収集車の燃料には性能が合わず、その他の車に流用していると聞いています。

 

 ※ 今年の5月のテレビ番組で、福岡市の「西田商運」という会社が、使用済の天ぷら油を集めて精製し、会社が保有するトラックに使う軽油の45%を確保するまでになり性能に全く問題が無く、更に拡大をするという計画を放映していました。

 

島田市も、製油会社といろいろと精製された軽油の性能アップについて研究中と聞いていますが、市民からの回収量のアップ対策と共に、活用度を上げるよう検討を進めてもらいたい。

 

筆者宅では、生ごみの自家堆肥化をしていますので、使用済の天ぷら油は基剤腐葉土・ヌカ・使用済み天ぷら油を良く混ぜて作る)の材料に使っていますので、排出する油はありません。

 

一般家庭で使用済の天ぷら油をシンクから下水に流してしまう人がいますが、何年か後に下水が油で凝固し水があふれ出し、業者に修理してもらったら数万円かかり往生したという話を聞いています。

 

使用済み天ぷら油を下水に流す家庭は論外です。すぐ悪いクセをなおしましょう。

 

また使用済み天ぷら油を「牛乳パック」に沁み込ませて「燃えるごみ袋」に入れて排出している家庭がまだまだ多いと聞いていますが、これも悪いクセですので、専用の回収BOXに排出しましょう。

 

一般市民は、ガソリンや灯油の補給の次いでに「ガソリンスタンド」に寄る機会が多いので「10カ所の回収場所」も、ガソリンスタンドと協定を結んで扱い店数を増やしたら、排出量はもっと増えるのではないか。

 

使用済天ぷら油は、邪魔物・やっかい物扱いをしないで、しっかりルールを守って有効活用して行こう。

「家庭ごみの減量シリーズNO.8」プラスチックの分別は世界の潮流

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

9月17日から連続して「家庭ごみの減量シリーズ」を書き始めて今日(9月24日 土)は、8回目(NO.8)です。

 

島田市では、家庭から排出されるごみが高止まりしています。

 

もう、ごみの減量を市民に協力を要請する「お願い調」の啓蒙の時は終わりました。

 

ごみが減らない理由の多くは、燃えるごみ袋に何でも平気で入れる悪いクセが、悪いことだと思わないで習慣化していることです。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますが、分別は種類別に全く違いますので、種類ごとに悪いクセを指摘しながら、良いクセにどう直していくか、具体的な行動を示し、それを全ての市民が実行することです。

 

NO.1~7まで、種類別に、「生ごみ」・「雑紙」・「古布類」と順次、具体的な行動を論じて来ました。

 

今日(NO.8)は、「プラスチック」について考えて行きましょう。

 

筆者宅では、生ごみしまだ環境ひろばの会員Hさんが考案した腐葉土式」で自家堆肥化し、雑紙は「雑紙専用保管箱」を家の中の一番便利な場所に設置してその中に入れ、古布は市の指定拠点の「古布類専用箱」に排出していますので、「燃えるごみ袋」はいつもプラスチック類で満杯です。

 

お菓子や乾物の袋や箱、郵便物のビニール・セロハン等の包装紙、新聞の濡れ防止のためのビニールなどが主であるが、重量はないがゴワゴワとかさ張り始末が悪い。

 

プラスチックを何とかしなくてはなりません。

 

プラスチックは島田市もそうですが多くの自治体は「燃えるごみ袋」に入れて焼却処理をしていますが、今や使用済みのプラスチック(廃プラ)による海洋汚染問題や、温暖化による気候変動で世界中で大問題になっています。

 

よって日本でも、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する2つの法律が施行され大きな動きになっています。

 

一つは、これまでプラスチック製容器包装(食品トレイなど)は、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」に基づき、分別されリサイクルが進められてきました。

 

しかし肝心の、台所用品に代表されるプラスチック使用製品廃棄物は、燃えるごみとして焼却処分されています。


同じプラスチックという素材であるにも関わらず、プラスチック製容器包装は資源物等、プラスチック使用製品は可燃物等として扱われてきました。

 

台所用品等のプラスチック使用製品廃棄物についてもリサイクルを可能とする仕組みを設け、市区町村は、分別の基準を策定し、その基準に従って適正に分別して排出されるように住民に周知するよう努めなければならないこととなりました。

 

ところがこの法律は、選択制になっており、選択した市区町村は、環境省が定める「省令」に従って分別収集する必要がありますが、選択しなかった市区町村は、上記の分別収集物の基準の適用はなく、別途定める「再商品化計画の認定申請の手引き」に準じ、基本的には今まで通りの焼却処分が黙認されています。

 

静岡市島田市は選択せず、プラスチックは今まで通り「燃えるごみ」として収集し、溶融炉の補燃材として使われ続けています。

 

続ける理由は、プラスチックは分別してもその多くは燃料として使われることが多く、溶融炉では熱回収して発電に使っているので結果は同じであるという。

 

リサイクルには3つの方法があります。

 

 ◆ サーマルリサイクル:廃棄物を焼却する際に発生する「熱エネルギー」を回収して利用する方法

 ◆ ケミカルリサイクル:廃棄物を化学合成により他の物質に変え、その物質を原料として新たな製品を作る方法

 ◆ マテリアルリサイクル:廃棄物を新たな製品の原料として再利用をする方法

 

プラスチックを燃えるごみ袋に入れて焼却炉の補燃材に使い発電することは、サーマルリサイクルに該当しますが現在、世界はリサイクルとして認めていませんし、温暖化ガスの排出削減としても認めていません。

 

日本の政府は黙認していますが、温暖化ガス排出量との相殺(カーボンニュートラル)は認めていません。

 

さてもう一つの大きな動きは、プラスチック資源循環促進法と言い、プラスチック製品の設計から販売、廃棄物の処理という全体の流れの中で3R+Renewableを進め、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への移行を推し進めるための法律で、2022年4月1日に施行されました。

 

飲食で使われるストロー、さじ・フォーク等12品目が指定されて、事業者・流通・消費者の役割を厳しく義務付けています。

 

これからプラスチックに代わり、植物由来の製品にドンドン置き換わって行くことでしょう。

 

世界が認めていない、「プラスチックを燃えるごみ袋で回収し焼却する」ことをいつまでも続けることはできないと思う。

 

プラスチックの分別・リサイクル化は、世界の常識であり潮流になっています。

「家庭ごみの減量シリーズNO.7」なぜ古布類を燃えるごみ袋に入れるのか。

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

家庭ごみの減量について、9月17日から今日(9月23日 金)まで毎日書いて一週間、7日目(NO.7)です。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますが、ごみの分別はごみの種類別に大きく異なります。

 

この6日間で、生ごみ」と「雑紙」の分別について、染みついた悪いクセ(悪習慣)を指摘しながら、どうしたら良いクセに直すことができるかを具体的に論じて来ました。

 

資源ごみの分別は今の時代当たり前ですが、問題は「燃えるごみ=可燃ごみ、その中で一番厄介で、処理が難しく、一番コストがかかる生ごみの減量策として、「自家堆肥化」「水切りの励行」を訴求してきました。

 

次に、燃えるごみ袋に大量に混入している「雑紙」の減量について、紙をクシャクシャと丸めてごみ箱にポイ捨てする悪いクセを無くし、紙は平たく伸ばして「雑紙専用保管箱」に保管する「良いクセ」を習慣化する運動を展開することを提案しました。

 

更に、燃えるごみ袋の中身を見られたくないため、中身をダンボールや新聞紙で覆うことを禁止、そのための袋のデザインや自治会衛生委員による現場指導の強化を提案しました。

 

さて今日は、「衣類や古布」の回収について論じて見ましょう。

 

島田市には、「古布類の回収システム」があるのに、「燃えるごみ袋」に捨てる家庭が多い。

 

なぜ、こんなに多くの「古布類」「燃えるごみ袋」に混入させるのでしょうか。

 

島田市は、市内のいくつかの市民グループに呼び掛けて、古布の回収を始めて間もない静岡県富士市を、視察し勉強しました。

 

平成24年頃と思いますが、しまだ環境ひろばも参加し、非常に良い勉強をしました。

 

新進気鋭の市役所職員が出て来て、古布の回収計画と回収実績の説明がありましたが、最初の2年間は実績が上がらず、年目でそれまでの拠点8カ所を24カ所に増やし、品目を拡大したら俄然実績が上がり出したとの説明でした。

 

1~2年間はそれに気づかず、完全な失敗だったという。

 

理由は、古布を搬出する人の殆どは主婦で、主婦は買い物や用事で出向くついでの機会を利用して排出をするので最初の8カ所では遠過ぎた。3倍の24カ所に増やしたら俄然増え出したという。

 

島田市が古布の回収をやるなら、富士市のスタート時点の失敗を省みて、拠点増と品目の拡大を図ったら良いのではとアドバイスされました。

 

ちなみに、現在の富士市は拠点を35カ所に更に拡大、品目も小物類を大幅に増やしています。

 

島田市は、富士市に遅れること数年目に開始しましたが、広い島田市で回収拠点は8カ所に止まり品目数も少ない。

 

古布の排出が目的で遠い拠点に出向くのではなく、買物のついでに排出するわけで、もう少し拠点を増やしたらどうだろう。

 

また、食品スーパーやホームセンターに協力してもらい拠点の増加を図ったらどうだろうか。

 

この手の政策は、市民・市民グループ・事業者・行政の連携・協働のうってつけの案件です。もっとみんなで話合ったら良い。

 

食品スーパーやホームセンターも、買物のついでの古布の回収には協力するだろう。

 

ましてや、市民・市民グループの熱い要請があれば断ることはないと思われます。

 

扱い品目数も、もう少し小物類(くつ類・帽子・マフラー・ネクタイなどなど)を拡大したらどうだろう。

 

すぐ近くの食品スーパーやホームセンターで古布の回収を扱い出したら、「燃えるごみ袋」に古布を入れる家庭は激減するのではないか。

 

明日は、「プラスチック」について論じて見たい。お楽しみに!

「家庭ごみの減量シリーズNO.6」なぜ、紙を燃えるごみ袋に入れるのか?

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

家庭ごみの減量について、9月17日から書き始めて今日(9月22日 木)で連続6日目(NO.6)、ごみの種類別の減量策を毎回おさらいをしながら書いています。

 

ごみの減量は「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きます。資源ごみ(ビン・缶・ダンボール・新聞紙など)の分別は当たり前になっていますが、問題は「燃えるごみ=可燃ごみです。

 

島田市可燃ごみの種類別構成比(ごみの重量組成率)は次の通りです。

 

   (単位:%)      生ごみ 雑紙・布 その他(プラ・草等)資源ごみ   

しまだ環境ひろばの推定値   35   30      30     5

生ごみに水分を含む)

島田市公表(生ごみ水分除く) 22   37      35     6

 

可燃ごみの中で、一番厄介で、一番処理が難しく、一番お金がかかっている生ごみ」の減量策から順次論じています。

 

 ■ 生ごみ「自家堆肥化」している家庭は大貢献であり表彰ものです。

 ■ 生ごみを市のごみ収集車に依存している家庭の最大使命は、生ごみから水分を除去することで、自家堆肥化家庭に匹敵する大きな貢献をすることができます。

 

「自家堆肥化」生ごみから水分を除去する」どちらかを実行することで燃料費・運搬費・労務費等々莫大な経費を削減できると共に、CO₂の排出削減で地球温暖化防止に貢献できるのです。

 

以上はおさらいで今から、燃えるごみ袋に入っている「雑紙」の減量について考えて見ましょう。

 

なぜ、燃えるごみ袋の中に「紙」がこんなに混入しているのでしょうか。

 

ダンボール・新聞紙・広告・チラシなどは、資源ごみとして分別するのは当たり前ですが、未だに「燃えるごみ袋」に入れている家庭がある。その殆どは知っていてやっている人(確信犯)か、悪いクセ(習慣化)が染みついてしまった人ですが全体の中の少数派です。これについては今日の最後に詳述します。

 

問題は大多数派で、「雑紙は資源である」ことを知らないか、無頓着で、くらしの中で習慣化している家庭でしょう。

 

先ず雑紙とは? 

 

 ◆ 紙製の箱類(ティッシュの空き箱・お菓子の空き箱など)・各種紙袋・包装紙・封筒・ハガキ・便箋・メモ用紙・コピー用紙など。

 ◆ トイレットペーパーの芯・カレンダー・割りばしの袋なども対象で幅が広い。

 ◆ 雑紙として回収できないものは、ティッシュペーパー・紙コップ・紙おむつ・感熱紙・カーボン紙・汚れやにおいのついた紙類など。

 

さて、日本の普通の家庭には部屋別に「ごみ箱」があり、ここに入れた雑紙は「燃えるごみ袋」行きだ。ここから資源化される紙はない。だから

 

 ◆ 雑紙を部屋のごみ箱に入れない「クセ」をつけることだ。

 ◆ 部屋別に置いてあるごみ箱を一斉に無くすのも一つの方法です。置いてあるとついクシャクシャと丸めて捨てるクセが出ます。

 ◆ その前に丸めて捨てる「悪いクセ」を無くすことです。丸めるとどうしてもごみ箱に捨てたくなります。

 ◆ 紙は全て平たく伸ばして捨てる「良いクセ」をつける。

 ◆ その代わりに、家の中の一番都合の良い場所に「雑紙専用保管箱」を一つセットすることです。

 ◆ 雑紙専用保管箱は、A4版の紙が入るくらいの大きさのダンボール箱か、使い道のない葬式用の大きな袋(最近は紙製が多く口を縛って排出できる)で充分である。

 ◆ 雑紙専用保管箱は、平たく伸ばした紙(箱類も平たく)が入り易いように上部の口を少し広くするなど工夫するともっと良い。細かく裁断した紙が入るように大きめの封筒を入れておくと紙が散らばらないで便利である。

 ◆ 個人情報が書かれたレシート等の紙も、裁断するか細かく破るかして封筒に入れるようにすれば分別の対象になる紙はグット増える。

 ◆ 排出は、雑紙専用保管箱から取り出し、紙ひもで括って市の指定の排出場所に搬出する。(島田市の場合は月二回、行政回収されます)

 

搬出の方法は4つありますが、(1)が一番望ましい。

 

(1)集団回収:自治会が主催して業者に回収を依頼し、市から助成金を回収するシステムです。

    ◆ 回収するお金が高い。

(2)行政回収:行政が指定の場所から指定の日に回収するシステムです。

    ◆ 市からの助成金は極く僅かです。

(3)大通りの片隅に民間業者が回収ボックスを設置しその中に住民が置いて来る方式

    ◆ いつでも搬入が可能な代わりに、自治会にも個人にも収入はゼロ。

(4)民間廃品回収業者に回収日時を登録し、業者が玄関先まで取りに来る方式

    ◆ 住民にとっては非常に都合の良いシステムですが収入はゼロ。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますが、ごみを地域の自治会の資金に換えることができれば本望でしょう。

 

自治会(町内会)によっては、市や自治会の指定日に、高齢者の家を訪問して自分の雑紙と一緒に排出をする「お年寄り見守り制度」を運営している所もあると聞いています。雑紙回収とお年寄りの見守りで町内会住民の絆づくりに役立てている模範例です。

 

また、雑紙回収の収入を学校の運営(音楽の楽器の購入費や放課後クラブ活動費など)に充てようと、児童・先生・父兄会が連携・協働している例はいっぱいあります。

 

なぜ、紙類が燃えるごみ袋の中に30%も入っているのだろうか。

 

もう一つ大きな要因は、燃えるごみ袋の中を外から見られたくない、カラスに突つかれたくないと、新聞紙やダンボール紙で、内面を覆う風習が多くの家庭で見受けられます。

 

紙を燃えるごみの中に入れることは良くないと知っていて、中身を隠すことを優先する確信犯です。

 

袋のデザインを変えて中を見にくくする方法を提案していますが、焼却センターで焼く時に、作業員が袋の中の不審物を監視しており、それができなくなると実施を引き延ばしていますが、今より少し見にくくして紙による覆いは禁止すべきでしょう。

 

燃えるごみ袋に、日常平気で雑紙を入れる人、時間に追われて燃えるごみ袋に何でも突っ込んでしまう人、このような人は論外ですが、排出場所で監視して現場で教育して行くしかないでしょう。島田市には自治会に衛生委員が配置されています。

 

一人当たりのごみの排出量が少ないトップクラスの、近隣の掛川市(全国NO.1)藤枝市(全国NO.5)は、衛生委員の活躍が非常に活発なようです。

 

以上のような対策を一斉に打って、市民が協力すれば雑紙の燃えるごみ袋への混入は減少し、引いては雑紙の回収は激増することでしょう。

 

とにかく、紙を燃えるごみ袋に入れない「良いクセ」を習慣化しなければならない。

 

やればできる!

 

明日は、「古布」についてです。 お楽しみに!

「家庭ごみの減量シリーズ」NO.5必読を!

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

家庭から排出される「燃えるごみ」の中で、一番厄介で、焼却するのに莫大な経費がかかっているのは生ごみです。

 

従って、この生ごみ「自家堆肥化」している家庭は、市の経費節減に最大貢献しており表彰ものです。

 

しかし、「自家堆肥化」は、多かれ少なかれ臭いや虫の発生は避けられなく、誰でもできるわけではなく、ましてや強制はできません。

 

大部分の家庭は、市のごみ収集車に依存するわけですが、生ごみに水を付着させないとか、野菜ごみに含まれる水分を飛ばしたり切ったりする努力をすれば、自家処理をする家庭に匹敵する貢献になります。

 

生ごみ自家処理家庭は全体世帯数の1~2%、市のごみ収集車に依存する家庭は98~99%、規模が違うこの大集団が一斉に水切りを実行すれば、物凄い減量になるからです。

 

昨日NO.4で、生ごみの水切りについて詳述しましたが、今回のシリーズで水切りが最大の課題ですので、敢えて念押しさせて頂きます。

 

生ごみに付着している水分や、中に含んでいる水分は、生ごみ全体重量の80%と言われています。

 

生ごみは市の焼却センターで、コークスと石油を使って燃焼させるわけですが、水分が蒸発するまで本来の生ごみは燃えません。

 

水分がなくなってから始めて生ごみは焼け始めるのです。

 

言い換えれば、コークスと石油の大半は、水分飛ばしのために消費され、水分が飛べばごみは自然に燃え出します。

 

だから、焼却炉に入れる前の家庭にある間に、生ごみから水分を無くすことが非常に重要なのです。

 

自家堆肥化をしない家庭は、生ごみの水分飛ばしに最大協力しなければならない理由はここにあります。

 

そこで、肉や魚の調理くずや食べ残しから水分を飛ばすのは無理ですが、野菜の調理くず(表皮・種・しっぽ・芯など)から水分を飛ばすことは、やろうとする意志があれば比較的簡単にできます。

 

野菜の調理くずは、網(甘栗やミカンを入れた網)に入れ、物干し竿や軒先に一日吊るすだけで水分は飛び、重量は半分以下になり、2日間干せば干し野菜のようになり、重量は更に半分になります。いくら干しても臭いも無く虫も寄って来ません。

 

島田市は、お茶のまちです。

 

多くの家庭では「急須」にお茶を入れて飲んでいますが、使い終わった「茶がら」は、生ごみとして、濡れたまま捨てられています。

 

 ◆ 最低でも茶がらはかごに移して、陽に干して水切りをしたい。茶がらは清楚な臭いであるので、いくら干しても虫は寄って来ません。

 ◆ 茶がらの有効利用を市を挙げて考えたい。成分や養分の分析は必要ですが、養鶏場の鳥や養豚場の豚のエサに混ぜ、新しいブランドづくりも考えられます。そうすれば市民から「乾燥茶がら」をプレミアム付きで集めることも考えられます。

 

以上の結果は、しまだ環境ひろばの実験による結果です。

 

生ごみが家庭内にある間に水分を飛ばす行為は、生ごみの重量が激減し、労度・運搬費・燃料費削減ばかりでなく、地球温暖化防止(CO₂削減)に貢献する非常に有益な活動です。

 

水分飛ばしの行為が如何に有益なことか、一般市民・児童たちに分かり易く説明することは、行政や市民グループの役目です。

 

行政と連携・協働して市民への浸透活動を展開し、生ごみの減量を一大運動化したいものです。

 

しまだ環境ひろばは、その一役を担いたい。