日経新聞「私の履歴書 寺田千代乃」を読んで感じること。

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今、日経新聞朝刊の最終ページに、私の履歴書 寺田千代乃」が連載されており、毎日楽しみに読んでいます。

 

今日は12回目でした。

 

寺田千代乃さんは、かの有名な「アート引越しセンター」創業者であり、現アートコーポレーションの名誉会長である。

 

当時、引越しを専業とする会社は無かった中で、引越しは運送業ではなくサービス業だ。工夫の種がいっぱい転がっているという発想をもったというから驚く。

 

寺田千代乃さんは、次々とアイディアを思いつき、それを果敢に実行して行った。

 

 ■ 当時、引越しは電話帳を見て電話で依頼をする人が多いと考えて、電話帳は社名は五十音順に掲載されていたので、ア行の一番「アート引越しセンター」に決めたという。

 ■ 同様に電話番号で一番覚えやすい「0123」に拘り、所有権を持っている人と交渉して次々と取得して行ったという。

 ■ 当時は引越しの荷造りは依頼人が行うのが一般的であったが、画期的な「荷造りご無用」を打ち出し、作業が室内になるので清潔な「つなぎ服のユニホーム」に変えたり、室内では清潔な「靴下」に履き替えさせたり、輸送中に家具の殺虫を行ったり、女性ならではの細かい配慮を次々と実行して行ったという。

 ■ 今日の12号では、当時は携帯電話など無かった時代、伺ったお宅の電話を借りた場合、作業員に「小袋に2回の電話代20円を新硬貨」でそっと置いて来るようにしたという。

 

こうしたアイディアと配慮が口コミで次第に話題になり、今では押しも押されない引越し業界のトップになっています。

 

昨今、日本の中小企業の多すぎや、脆弱性を問題視する有識者が多いが、こうしたアイディアや配慮、思いついたら直ぐ実行に移すことができるのは中小企業だ。

 

合併で大きくなると、組織も大きくなり、小回りが利かなくなる。

 

今、サービス業を中心に、「マニュアル」という仕事の手順書が幅を利かせ、アイディアの提案や素早い実行を阻んでいます。

 

こうしたら良いのにと思うことがいっぱい目につきます。

 

こうしたことは、企業のみならず、行政や団体や市民グループの行動にも当てはまる。

 

しまだ環境ひろばは、昔は会員をテーマごとに分けて分科会を形成し、合議制で物事を決めて実行してきましたが、今はテーマごとに主担当を決めて具体的な運営は一任する体制を取っています。

 

従って主担当のアイディアで殆どのことが実行できる体制にあるのですが、問題は寺田千代乃さんのようなアイディアと実行力があるかどうかです。

 

テーマと主担当の力量によっては拡大している活動も中にはあります。

 

しまだ環境ひろばは、NPO法人ですので、定款に書いてある事業の範囲で、会員が納得すれば、細かい運営は主担当でできるわけですから、やる気があれば面白い組織です。

 

寺田千代乃さんの履歴書を読んで、行政や市民団体の活動と比べるのはやや無理はありますが、アイディアとその実行の如何はどの世界でも同じだと感じ、何号まで続くシリーズか分かりませんが、楽しみに読んで行きたいと思っています。

 

寺田千代乃さん、勇気を与えてくれてありがとうございました。