大井川の地下湖の神秘を突き止めた「堀本陽三さん」のご逝去を悼む

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

「大井川の水と恵みを考える会」の「堀本陽三さん」がお亡くなりになりました。

 

堀本さんは、「しまだ環境ひろば」の正会員でもありました。

 

心からお悔やみを申し上げます。

 

自宅は島田市中河の大井川下流域に住んで9代目、先祖は江戸時代、庄屋を世襲してきた関係から村の資料が多く残され、それを紐解く傍ら島田市の市史編さん委員も務められました。

 

その過程の中で、大井川流域の多くの資料に触れて、大井川の洪水の歴史や中下流域の扇状地の地質、上流域構造などなどを調べるうちに、いくつかの新事実を突き止めました。

 

 ■ 大井川の最下流域の海岸線には、深さ50m程の砂泥層が壁をつくり、その結果壁が地下水をせき止めて広大な地下湖を形成していること。

 ■ この地下湖の水量は今尚変化なく、豊富な水量を保っていること。

 ■ 上流域の赤石山脈は、中央構造線糸魚川静岡構造線に挟まれた稀に見る特殊な構造で現在も崩壊と隆起を繰り返していること。

 

堀本さんは、この地下湖の有意義な活用と、崩壊と隆起を繰り返す上流域の開発(リニア)に警鐘を鳴らしています。

 

水の減少もさることながら、リニア通過時の振動による構造の変化が起こることを非常に心配していました。

 

堀本さんは、これら研究の成果を、「ふじのくに地球環境史ミュージアムで特設コーナーを設けて展示したり、各種講演などの講師を務めて来られました。

 

筆者は、「生活情報交換会」の講師として推薦し、2回の講演もしてもらいました。

 

堀本さんは、自宅(古民家)とその周辺の所有地の有効利用を強く望み、大井川の水と恵みを考える会」に託してきましたが、道半ばでご逝去となりました。

 

何とか、堀本さんの意思を組んで、「大井川の水と恵みを考える会」が中心となって、行政共々、有効利用を考えてもらいたいものです。

 

改めて、ご冥福を心からお祈り申し上げます。