緊急災害時こそ、民間の地下水の有効利用を!

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

去る4月30日(金)、静岡市アイセル21(婦人会館)を拠点として活動している生活情報交換会主催の、静岡市出前講座「水道と防災 ~災害時に備えた水の確保~」で、災害時の水の確保の困難性について学びました。

 

その席上で聴講者の一人(幹事のAさん)より、自宅は地下水を常時汲み上げており、災害時は自家発電機を稼働させれば近所に水を供給できる。緊急時の地下水開放利用は考えられないか」との提案がありました。

 

講師の静岡市職員は、部署が違うので即答できないので宿題事項としてほしいとのことで後日の回答が約束されました。

 

今日(5月7日 金)、主催者の生活情報交換会 T会長より、NHKニュース静岡版で、藤枝市が災害時、企業や個人宅の地下水利用の検討に入った」という報道の連絡がありました。

 

インターネットを開くと藤枝市定例会見で次のように公表されたとのニュースが掲載されていました。

 

 ■ 藤枝市県内初、個人や企業が所有する井戸を「協力井戸」として事前登録し、万が一の際の生活用水に活用する事業を始めることにしたとのこと。


 ■ 登録の受け付けは6月1日からで、市は、来年3月までをめどに体制を整える。

 ■ 登録されれば井戸の修繕や水質検査の費用は2分の1、最大5万円、助成するとのこと。


 ■ 協力井戸の水は市内40か所の指定避難所でも活用することを想定しているとのことである。

 

藤枝市やることが早い! 静岡市からはどんな回答があるのだろうか。

 

島田市の最大の遺産「大井川」、その大井川中下流域の扇状地には、膨大な地下湖があり、過去数十年の地下水定点観測(15ヶ所の井戸)結果によると、安定的な水量と上質な水が観測できている。

 

使っても使っても減らない。

 

この地下水は、扇状地で事業を展開している数百社の企業と、扇状地にある自治体の水道事業及び一部だが個人住宅の生活用水として使われています。

 

街中にある、酒造場・食品スーパー・クリーニング店・豆腐屋さんなどなど、地下水をくみ上げている事業者さんはいっぱいあります。

 

藤枝市の今回の計画は、企業や個人住宅で使っている地下水を、災害時に開放してもらい緊急生活水として利用させてもらおうというものです。

 

過日、志半ばでご逝去した「大井川の水と恵みを考える会 堀本陽三さん」は、大井川の扇状地の地下水の安定性の謎を解き、この恵みをどう活用したら市民に報いることができるかをいつも考えていました。

 

 ※ 堀本さんは、大井川の下流の海岸線に沿って、地下水の流出を阻み、海水の流入を阻んでいる「砂泥層」を発見、この砂泥層が地下水の安定性と塩水化を防いでいることをいくつかの講演で発表しました。

 

しまだ環境ひろばは、平成29年11月、しまだ環境ひろば塾「大井川の地下水をバスで巡ってみよう」を開催し、市民28名で地下湖の神秘を探り、その有効利用を考える旅を企画実行しました。

 

 ■ 大井川の地下水を利用している、O酒造さん、K飲料・Y養鰻場などなどを見学、海岸付近に工場を構える飲料メーカさんでは、塩水が殆どない地下水の神秘を聞きました。

 ■ 大井川の中下流域の地下噴水場をいくつか見て回り、水量の豊富さを目のあたりにしました。

 

平成30年9月には、第二弾「ふじのくに地球環境史ミュージアム ホットトピックギャラリー”大井川扇状地の自然と人”の見学と扇状地の湧き水・地下水を巡ってみよう」を計画しましたが、台風の来襲で敢え無く中止し、次回開催を期しています。

 

地下水の有効利用は、しまだ環境ひろばにとっても悲願です。

 

静岡市安倍川、島田市大井川の豊富な地下水を、緊急時こそ有効に使いたいものです。

 

生活用水は一日たりとも切れることは許されません。

 

是非ものにしてもらいたい。