市民団体の会計担当役員の役目は

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

最近、2つの市民団体の会計担当役員を兼務した執行部(事務局)を退任しました。

 

親しき中にも礼儀あり。

 

一般的には、どんな親しい中でも礼儀は守らなければならない、ということわざですが、筆者はこのことわざを、会計役員を担当するに当たってどんなに気心が知れた人でも、お金に関しては距離感を持て、と解釈してきました。

 

すなわち、

 

 ■ 会長と会計は決して兼務しないし、させない。

 ■ 会長と会計は、最低月一回の月次決算報告と帳簿と預金・現金の照合を行う。

 ■ 併せて、特に雑収入・雑費勘定の抜き取りチェックを怠らない。

 ■ 入出金に携わる事務員と会計役員間は内部牽制の仕組みを通して距離感を保つ。

 

会長が会計を兼務すると自然に甘くなり、だんだんそれを拡大解釈し、いつの間にか、

雑な経営になっていく。(入金が会費だけの団体はこの限りではない)

 

一方で会長は、事業計画の立案と実行をして行く中で、様々な事案に遭遇しそれを片づけて行かなければならないので、当然ながら裁量権を持つ。

 

会計担当の役員は、資金の確保とお金の管理を行いつつ、会長を補佐して事業計画や事案の推進に当たることとなる。

 

会長の裁量権の良し悪しは、それが会のためになるかどうか、なると判断したら積極的に会長を応援し、会のためにならないと判断したら反対するのも会計担当役員の責務だ。

 

事業に成功したトップの陰には、名金庫番・名参謀がいたと聞く。

 

市民団体と言えども同じだ。

 

そういう意味で、会長の裁量権にはなるべく反対しないようにいつも身構えていましたし、大概のことには賛同し共に活動してきました。

 

幸いと言っていいのかどうか、退任をした2つの団体共に会計処理については絶対の信頼を置いてくれて、つつがなく4年間の任務を終えました。

 

が反面、会の将来のためになる、前進的・改革的な事への資金の投資判断を要す案件にはついぞ遭遇せず、物足りなさを感じました。

 

未だいくつかの団体の代表や事務局を担当していますが、会の将来のために役立つ事業計画の立案と実行に、会計担当役員と共にもう2~3年、老骨に鞭打って頑張りたいと考えています。