生活情報交換会10月例会「静岡市の財政状況」

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(10月15日 金 am)は、「生活情報交換会 10月例会」に参加しました。

 

生活情報交換会とは、某企業を退職した数人のOBが、リタイヤ―後も有意義に過ごそうと、お互いの情報交換や有識者の良い話を聞こうと立ち上げた会で、現在の会員数は数十人、講演会の開催回数も今回で133回を数えました。

 

新型コロナの新規感染者数の拡大で、5月以降講演会は自粛されてきましたが、感染者数の急速な減少と、緊急事態宣言の終了が宣告され、漸く再開されることになりました。

 

今日の出席者数は34名、講演の題目は、静岡市出前講座静岡市の財政状況」、講師は静岡市財政課 予算第3係長 「大竹 透」 さんでした。

 

今、国も自治体もコロナ禍で歳入は減少する中で、医療関係者や医療体制の増強、民間事業者への営業補償などなど想定外の歳出増加となっており、講演会のテーマに「財政状況」を選んだのは時節柄、グットタイミングでした。

 

講師の大竹さんの話では、丁度「9月議会」が終了し、令和2年度の決算や令和3年度の補正予算案が承認され、財政状況を説明するのにグットタイミングであったという。

 

静岡市の会計は、「一般会計」・「特別会計」・「企業会計」で構成され、令和3年度予算額は、一般会計3,297億円、特別会計2,475億円、企業会計779億円、計6,551億円で過去最高、やはりコロナ禍で令和2年から増え始めているようだ。

 

令和3年度の歳入予算は、自主財源(主に市税)が減り、依存財源(主に市債)が増え、コロナ禍の影響がかなり出ている。

 

市民一人当たりの予算(令和3年度)は、474,870円で20の政令指定都市中で17位(低いほど良いか)でまずまずの成績か。

 

令和3年度予算構成のポイントは3つで重点的に配分されている。令和2年度2月補正予算と令和3年度当初予算を一体化して編成した。

 

 ■ ポストコロナを見据えた「新たな日常」に対応した社会の実現に向けた取組に重点配分

 ■ 第3次総合計画の「5大構想」を着実に推進する取組に反映

 ■ 激甚化・頻発化する災害への対応として国土強靭化を強力に推進する取組に反映

 

   ※ 5大構想とは、

 

 <世界に存在感を示す3つの拠点づくり

 ① 歴史文化の拠点づくり ② 海洋文化の拠点づくり ③ 教育文化の拠点づくり

 

 <生活の質を高める2つの仕組みづくり

 ① 「健康長寿のまち」の推進 ② 「まちは劇場」の推進 

 

令和2年度は、新型コロナウイルス感染症対策に、814億円(一般会計)を使ったという。「特別定額給付金」 市民一人当たり10万円支給 699億円をふくむ。

 

令和2年度は、年4回の議会(6月・9月・11月・2月)で補正予算を組んだが、補正の上に更に補正を積み重ね、10回以上の補正を重ねる予算となった。

 

とにかく、スピードと的確な政策が要求された。

 

最後に講師の大竹さんは、令和元年度決算額(3153.9億円)と令和2年度決算(4031.5億円)を比較し、結局前年比877億円の増加となったが、それでも実質収支は52.9億円の黒字決算となったと説明。

 

更に、静岡市の財政事情は、経常収支比率は、20政令都市中で15位、実質公社債比率は同10位、将来負担率は13位、市債残高は10位で、いずれも率は低いほど良いもので、まずまず健全化の状態であった、と説明して講演を締めくくりました。

 

今日はいくつかの質問が出ましたが、静岡市の財政は基本的問題(赤字)や、致命的問題(将来破綻)には至っておらず、出席した静岡市民は一安心したと思います。

 

財政破綻した自治体は、国の管轄下に置かれ、必要なサービスまで削られ非常に惨めな状況になるので、政策や行政サービスは常に見直し、財政の健全化を常に保ちたいものです。

 

今日の講演を聴いて、島田市の財政事情も機会を見て聴いてみたいと思いました。

 

大竹さん、ご苦労様でした。