「TVシンポ」で循環型社会づくりを学ぶ

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

去る10月16日 土 pm NHK Eテレ TVシンポジューム「サーキュラー・エコノミーで日本を変えよう」を視聴しました。

 

出演者は、以下の5名でした。

 

 ◆ 洗剤のトップメーカー、花王(株)の澤田会長

 ◆ ミドリムシの培養に成功した、(株)ユーグレナの永田CEO

 ◆ 廃棄物のリサイクル率でトップクラス、(株)ナイガイの中台社長

 ◆ 電通のチームSDGsの、竹嶋リーダー

 ◆ ウエブメディア企画・運営事業の、ハーチ(Harch)(株)の加藤代表

 ◆ 司会は、飯田香織 さんでした。

 

サーキュラー・エコノミー(循環型経済)とは、従来の「Take(資源を採掘て)」「Make(作って)」「Waste(捨てる)」というリニア(直線)型経済システムの中で活用されることなく「廃棄」されていた製品や原材料などを、新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく資源を循環させる経済の仕組みをいう。

 

今回のシンポジュームの中で非常に印象が強く、感銘を深めた発言は次の通り。

 

花王(株)の澤田会長は、プラスチックごみの削減について、ライバルを超えて競争から協働へ、リサイクルし易い容器の設計などの共有化を訴えていました。

 

(株)ユーグレナの永田CEOは、ミドリムシの大量培養でバイオ燃料の製造やバイオプラスチックの開発に成功、化石燃料を使って発電した電気を選ぶか、CO₂を吸収して成長したミドリムシから作った燃料を選ぶか、その価値を理解した消費者に買ってもらいたい。将来ですが、「売らないマーケッティング」を目指したい、と語りました。

 

リサイクルの(株)ナカダイの中台社長は、リサイクル率99%を目指しているという。廃棄物をただリサイクルするのではなく、ちょっと手を加えればそのまま使えるもの(リユース)、外せる部品は丁寧に取り外して部品として再利用するもの、素材別に纏めてリサイクルし元の素材に戻すもの、とキチット分ければリサイクル率は究極まで上がるという。

 

どの出席者も、流石は循環型社会づくりのトップを走っている企業や団体のリーダだけに聴きがいがありました。

 

環境問題への挑戦を経費として捉えたら発展性はないが、これを成長と捉えれば明るい未来が開けます。

 

そのためには、事業者は先ずは業界の発展を考えるべきだし、ある面ではライバルを超えた競合や協働が必要だろう。

 

それよりももっと大事なのは、消費者の意識改革だろう。

 

これまでの「安いが当たり前」を「価値で見る」という意識が、循環型社会づくりには必要となる。

 

三菱総合総合研究所理事長の「小宮山 宏」氏は、嘗て、完全リサイクル100%を実現すれば、日本は原材料の輸入は必要ない、と言っていましたが、残念ながら日本は廃プラ総排出量の60%以上を燃やしてしまっており、リサイクル率は非常に低い。

 

「作って、使って、捨てる」のではなく、「作って、使って、再資源化してまた使う」という「循環型社会」を作り上げることが地球を救う道であろう。

 

事業者も消費者も更なる意識改革が必要であり、今回のシンポジュームはその道筋を示唆していると言えましょう。