NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
2050年までに温暖化ガス排出量を「実質ゼロ」にするという目標は世界のコンセンサスになりました。
日本政府は、その過程にある2030年度までに温暖化ガスの排出量を2013年度比で46%削減することを公表しています。
この結果、産業界や自治体の多くが、2050年までにカーボンゼロを打ち出し、それに向けて大きく舵を切り出しています。
ところが問題は、国民・市民が一向にその気にならないことです。
内閣府の世論調査によると、「温暖化ガスの削減姿勢」を問うと、取り組みたいと答えた人は約92%を超えています。
■ 積極的に取り組みたい 24.8%
■ ある程度取り組みたい 67.1% 取り組みたい合計 91.9%
■ 取り組みたくない 7.1%
■ 無回答 1.0%
意識は高いのに実際に実行に移している人は多くない。
例えば島田市は、「水分を含む生ごみが多く困っている」という。
一般家庭の生ごみは大きく分けて、「調理くず(切れ端)」と「食べ残し」がある。
調理くずは、植物性と動物性に分かれる。食べ残しは、ごちゃまぜが多い。
焼却炉では水分が抜けるまでは焼けない。燃料の大部分は水分を飛ばす(水蒸気)ことに消費され、水分さえ飛べば自然に燃える。
生ごみの水分は2つに分けられ、生ごみ自体が持っている水分(約80%)と、後から付着する水分(約20%)がある。
現在は、燃えるごみ袋にこれらの生ごみがごちゃまぜに混入しているわけですが、いざ「生ごみの水を切る」と言っても、ごちゃまぜの状態での水切りは効果が少ない。
生ごみは、種類別に水切りをやって始めて効果が出るのである。
生ごみの水を種類別に分析すると、きれいに分けられて決して水切り作業ができないことはないのである。
なぜ水切りをしないのか、めんどくささもありますが、染みついた習慣(クセ)から抜け出せないためです。
例えば、時計やメガネを不用意にどこかに置き忘れ、後で探し回るわけですが、置き場所を2~3ヶ所に限定すれば探し回ることはなくなるのにそれをやらない。
「生ごみの水切り」をやらないのは、惰性やくせが邪魔をしているのですが、それを直そうとしない所に原因があります。
勝手場のシンクの中に「三角コーナー」を置いて、そこに調理くずを投げ込めば水道の水が付着するに決まっているのに、三角コーナーをシンクの外に出そうとしない。
野菜の調理くずは臭わないし、網袋に入れて1~2日間物干し竿に吊るしてから燃えるごみ袋に入れれば水分は半減します。
ごみは種類別に行動を決めれば大きく減少するのです。ただやらないだけなのです。
ごみを減らすということは、基本を習慣(クセ)にすることなのです。
その他のごみ減らし策も同じなのです。
島田市が、本気でごみの減量に取り組むようですが、染みついたクセ直し(市民一大運動化)だと思います。