生活情報交換会9月例会「大エジプト博物館」

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(9月16日 金)は、「生活情報交換会 9月例会」に参加しました。

 

 ※ 生活情報交換会は、某企業をリタイヤ―した同世代の数人の有志が、お互いの情報交換や有識者の話を聞いて、第二の人生を有意義に過ごそうと立ち上げた会です。

 

今や会員は数十人へ、原則として月一回静岡市アイセル21を拠点にして開催してきた講演会は今回140回目を数えています。

 

今日の出席者は38名、コロナ禍の中で参加者の体温管理・手消毒、会場の消毒・換気等万全の配慮の中での開催でした。

 

今回の演題は、「エジプト大博物館建設と日本」ツタンカーメンやピラミッドに関しての日本との関りでした。

 

講師は、JICA(独立行政法人 国際協力機構)アフリカ部審議役 大村佳史(よしふみ)氏でした。

 

大村講師は、生活情報交換会の会員Oさんの次男であり、大手の銀行を途中退職してJIKAに飛び込んだ異色の人物です。

 

大村講師は冒頭、「エジプトとは」から語り始めました。

 

 ■ エジプトは日本から飛行機で12時間、時差7時間、アフリカの北東部に位置する南北に長い国、人口約1億人、GDPは日本の20分の1、日本と違って若い人が多くこれからの国、人々はナイル川に張り付くように暮らしている。

 

 ■ 常に暑く雨が降らない。しかし冬は雪が降る厳しい気候、治安は悪いとの評価が一般的だがそんなことはなく、子供が夜中に出歩くくらい治安は思ったより良い。

 

次いで大村講師は、JICA(ジャイカ)とは?」を語りました。

 

 ■ 一般的に海外協力隊と言われているが独立行政法人で、世界100以上の拠点を持ち2,000人以上が活躍している。

 

次いで大村講師は、「エイプトの観光」について語り始めました。

 

 ■ エジプトと言えば何と言ってもツタンカーメンだが、紀元前1300年に19歳で死去、何でこんなに有名になったかと言えば、王墓が未盗掘で発見されたことで、今年は発見から100年、解読から200年の記念の年。人口の10%が観光に絡んでいるとのこと。

 ■ ツタンカーメンが日本にやって来た時には、入場者が200万人を超える大盛況だった。これ程の観光資源を持ち合わせていながら実力を発揮していない。

 

そこで、「ピラミッド」や「エジプト考古学博物館」とは別に、「大エジプト博物館」建設構想が持ち上がり、バーチャルツアーとして一体開発に着手された。

 

「大エジプト博物館」建設の日本の協力と役割は、建設資金の融資と、発掘・修復・復元の技術協力(能力強化・人材育成)、計画は2006年決定、2008年協力開始、2016年準備段階が終了。

 

ツタンカーメンの至宝をどうやって修復・復元・保存をして行くか、一緒にやってほしいと提案され、2016年から本格的に始まった。

 

以降、どうやってやるか、集める~調べる~修復・展示の具体的作業が始まった。

 

JICAの目的は、復興を必要とする相手国に貢献することだが、果たして博物館を作って貢献するか、疑問や指摘はあったが、考古学の発展やその国の歴史や遺跡を正しく評価し残すことは、経済協力に匹敵する社会的貢献だという見地で日本はこの場に関わったとのこと。

 

今年(2022年)遅くとも2023年にはオープンを迎える「大エジプト博物館」まもなく開館とのこと。

 

大村講師は、この「大エジプト博物館」構想とその実現に実際に携わり、この3月に任務を終えて帰国したとのこと。

 

ご苦労様でした。

 

今日の会場の中に、「エジプトクフ王」のピラミッドから発掘した「太陽の船」の発掘作業に従事した、生活情報交換会の会員でもある蒲原の石工「戸田さん」が同席されていました。

 

会場周辺には「ピラミッド」・「太陽の船」・「ツタンカーメン」が徒歩で見て回れる距離内に展示されるとのことなので、是非見たいものだ。

 

最後に講師の大村氏は、参加者の質問に答えて、「エジプト人の気質は非常に優しい!、貧富の差は大きいが、大部分の普通の人は何かあればみんなで気遣う支え合いの心を持っている。しかしそれが競争心の弊害となり国の勢いを弱めている面もあると感想を述べました。

 

今回の「大エジプト博物館」の建設は、技術協力からデータ整備、人材育成まで日本らしい貢献をしたと報告し、是非見学に行ってほしいと発言し講演を締めました。