「家庭ごみの減量シリーズNO.12」、ごみの減量に秘策はあるか。

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

9月17日から「家庭ごみの減量シリーズ」を書いて今日(9月28日 水)で12日目(NO.12)ですが、ひとまず当シリーズは今日で最終回とします。

 

ごみの減量は「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますので、「生ごみ」・「雑紙」・「古布類」・「プラスチック」・「使用済天ぷら油」・「剪定枝 草等」と順番を追って減量策を論じて来ました。

 

折しも広報しまだ9月号の市長羅針盤に、「ごみの減量に秘策はあるか」と市長の悲痛な投稿がありましたので、今日はこれを題材にして論じ、今シリーズの最終回とします。

 

市長羅針盤は、その時々の市政の重要施策を、市長が自ら書いて市民に理解を求めるもので、「燃えるごみの排出量の高止まり問題」は最重要問題です。

 

結論から申し上げて「秘策」は無いと思います。

 

<広報しまだ 市長羅針盤「ごみの減量に秘策はあるか」の骨子>

 

■ 焼却センターで使う燃料(コークス・石油)及び煙突から飛び出る飛灰から有害物質の溶出を防ぐ薬剤(キレート剤)価格が高騰し一億円の補正予算を組まざるを得なくなった。

 

■ 市民意識調査における市民満足度は第一位、一人当たりのごみの排出量は近隣3市平均の1.3倍、リサイクル率も静岡県の平均値にも届かず、どうやらごみの出し易さとごみの減量は反比例の関係にある。

 

■ 今年度のごみ処理の全体経費は16億円(補正を含む)が灰と化す。焼却センター(田代環境プラザ)の長寿命化に係る経費、コークスやキレート剤の高騰等高値が続く。

 

■ 県内でも「ごみの有料化」が進んでいるが、国も基本方針を改正し有料化の推進を明確化した。

 

■ ごみの有料化をしないためには、市民の協力によるごみの減量化が欠かせない。今後市民の声を聞いて行くが、減量が達成できなければ有料化も考えなければならない。

 

以上の市長の訴えを分かり易くまとめると、次の4項目です。

 

 ◆ 燃料と薬剤の高騰

 ◆ ごみの出し易さが、ごみの減量を阻害

 ◆ ごみの年間経費は16億円に達し更に増える。

 ◆ 市民が協力しなければ「ごみの有料化」に踏み切らざるを得ない。

 

とうとう、「楽チン」をむさぼってきた「ツケ」がやって来ました。

 

秘策は無い、と書きました。

 

「楽チン」が染みついてしまったのだから簡単にできるものではない。

 

「燃えるごみ袋」の値段を上げればごみは減る(ごみの有料化)ことは、既に実施中の自治体の先例が物語っていますが、不法投棄が増えたり、それくらいの値上げなら今まで通りでいいや、という安易な意識が芽生え肝心の環境意識の向上にならない。

 

市民の抵抗があり、中途半端な値上げで成果は僅かで、環境意識の向上にならず肝心の温暖化防止にもならない危険性もある。

 

市民が自ら気が付き、市民がどうしたら良いかを考え、市民が実行し評価し、とにかく市民がその気にならなければ「ごみの減量」は前進しない。

 

これまでの行政主導では動かないと思う。

 

思い切って市民主導に大きく切り替える必要がある。

 

一般市民と市民グループと事業者と行政が同じテーブルに着いて「ワーキング」を構成し、先ずは市民に決意を纏めてもらう。行政は検討の場をつくる役目を負う。

 

決意は、「ごみの有料化」かもしれないし、「もう一度減量をやって見よう」となるかもしれない。

 

そこで出た決意を前提に、「実行委員会」を組織化し計画をまとめ、しかるべき手続きを経て市の施策に纏め上げる

 

計画には全ての市民(市民・市民グループ・事業者・行政)が参加し、連携・協働して市を挙げた「一大運動」にして実行し着実に成果を上げていく。

 

市長はその先頭に立って旗振りし、市民ではできない施策、例えば「国と連携しごみの減量モデル都市への挑戦」「近代的なおむつ再生工場の地元誘致」、「剪定枝・草等の民間堆肥化工場の誘致」なども果敢に挑戦すべきだと思う。

 

それくらいやらないと、ごみの減量などできない。

 

また、折角ごみの減量を実行しても実際に減量に結びつかなかったら意味がないので、ごみの減量目標と、焼却センターの規模(処理能力)の縮小を一緒に考えチエを出すことを考えなければならない。

 

要は、背水の陣(逃げ場を作らない)を引かなければ「ごみの減量」は無いと思う。

 

それくらいの覚悟を市民に示さなければ、市民はその気にならないだろう。

 

今日まで、「家庭ごみの減量シリーズ」を続けてきました。今日でひとまず最終回とします。

 

ありがとうございました。