NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
今日(10月21日 金 am)は、「生活情報交換会 10月例会」に参加しました。
※ 生活情報交換会は、第二の人生を有意義に過ごそうと、会員同士の情報交換や、たまには有識者の良い話を聞こうと立ち上げた会で、静岡市のアイセル21に拠点を置いて、今や会員数は数十人へ、月一回づつ開催してきた講演会も今日は141回目、30人の参加になりました。
新型コロナの新規感染者数がまた少し増えつつありますので、会場内の机や椅子の消毒や入り口での手消毒などできる対策をとっての開催です。
今日の演題は「今を大切に生きる ~生と死を見つめて~」、講師は、松林カウンセリングルーム(藤枝市)の「松林 三樹夫」先生でした。
松林先生には、生活情報交換会で過去2回講演をして頂いており、少子高齢化社会における夫婦やDVなどの諸問題に照準を当てて、的確な示唆やアドバイスを頂けるので、今回3回目の講演になったものです。
三林先生は、今日の話は2つ、第一部は「今を味わって生きる」、第二部は「人との関係を大切に生きる」と前置きして話始めました。
■ 第一部「今を味わって生きる」
先ずは、「井村和清」という若くして亡くなった医者の話。彼は右膝に悪性の腫瘍を患い、それが肺に転移し妻と長女の飛鳥、もう一人のまだ見ぬ子へ手記「日常の当たり前の素晴らしさ、死への怖れの中で命は輝く」を遺し、それが後に書籍として「飛鳥へ、そして見ぬ子へ」が発行されたという。
次は、画家「東山魁夷(ひがしやまかい)」の話。召集令状を貰って熊本で訓練を受け、いつ戦場へ行かされるか、死への怖れを抱きつつ終戦へ、熊本城で見た美しく輝いて見えた雄大な眺め、その感動を今の気持ちのままに描こうと「残照」と「道」と名付けた絵を残した。死と命は表裏一体である。
次いで、死刑囚「島 秋人」の遺した歌集「遺愛集」の話。人を殺めて死刑の宣告を受け獄中で、島は低能児であったが、中学生の頃唯一褒められた先生に手紙を出し文通を続ける中で「温まりの残れるセーターたたむ夜、ひと日の命もろ手に愛しむ」の歌を詠んだ。日頃の小さな一コマを詠んだ歌である。
特別ではなくどこにもある「生と死」を、短歌や俳句に託した例はいっぱいあると、「入道前太政大臣」「西行」「良寛」「藤原敏行」「岡本かの子(岡本太郎の母)」などの名前を次々と上げ、詩を紹介しました。
更に、松尾芭蕉の「よく見れば、なずな咲く垣根かな」、与謝野蕪村の「菜の花や、月は東に日は西に」、加賀千代女の「朝顔につるべ取られてもらい水」を上げ、何気ない自然そのものを取り上げる「日本人の感性」はすごい!
夜明けの情景を4つに表現「暁(あかつき)・東雲(しののめ)・曙(あけぼの)・朝ぼらけ」し、瞬間を詠む日本人の感性は素晴らしい。
すごい景色ではなく、普通の風景を目にした瞬間を絵にした例もたくさんあり、「モネ」や「アルフレッドシスレー」や「フェルメール」、日本人では「山下 清」の絵にも見られる。
先日の台風被害、飲み水が無い、トイレに水が流れない、日頃当たり前と思っていたことが突然消える。当たり前のことに感謝して来なかったことを、無くして始めて気付く。
人生は「刹那(せつな)」の連続である。
■ 第二部「人との関係を大切に生きる」
人は社会的な存在である。家の中に閉じこもっていないで外に出る。
*自分のために生きる。*第二の人生は社会貢献に力を入れる。*人とつながる。
相手の話を良く聞く。自分の考えにこだわらない。
*人は「愛」を欲しがる。2つの「愛」とは、
◆ 相(相手)=話し相手・相談相手 → 良い聴き手
◆ 合(合う)=話合い・助け合い・認め合い → 良い話相手
*話すことは2つに通じる。 ➀ 解き話すこと。 ② 体から離すこと。
良い聴き手、良い話相手になるコツは、「否定」と「受容」を理解することだ。
* 否定(でもね・だけど・いや など)
* 受容(そうかー・そうなんだ など)
相手は聴いてほしいのだ。気持ちはいくら受け止めても良い。自分の考え(こうすればもっと良くなる)を云うのはそのあとだ。
松林先生は、コミュニケーションを良くするために「〇〇用 用語翻訳機」を愛用しているという。〇〇の中に相手を入れ、それぞれにうまく対応する。
最後に「むかついたり」、「怒りたくなった時」は、ストレートに怒りを出せば相手は反発するので、我慢し相手が受け止め易くしてからどうするかを話し合うことが肝心。
松林先生が今日、たくさんの例を上げて一生懸命に説明し言わんとしたことは、「当たり前のことに感謝して今を大切に生きる」ことに尽きるのではないか。
「人生は長く生きることではなく、生きているという輝きをいかに蓄積できたかで決まる」との言葉は胸に響きました。
松林先生、今日は貴重な有意義なお話をありがとうございました。
これからも家内と仲良くやって行きたいと思いました。