シリーズ「衰退する日本の中間層」を読んで。

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

13日前より日経新聞朝刊 経済教室面のコラム欄で駒沢大学准教授 田中聡一郎さんの「衰退する日本の中間層」が9回シリーズ(休日は休み)で始まり、今日(3月22日 水)最終回となりました。

 

記事は先進国で「中間層の衰退が話題になっている」との課題の提起から始まりました。

 

日本では嘗て「一億総中流社会と言われた時代があり、中間層は平等な社会の象徴のような存在となり現在に至っていますが、格差社会の到来で徐々に変貌しつつある。

 

記事は、分厚い中間層がなぜ必要か、なぜ中間層が重要か、その理由から始まりました。

 

中間層は経済成長と民主主義の基礎であり、経済発展と社会の安定は分厚い中間層があればこそだという。

 

中間層の数の捉え方はいろいろな手法があるが60%前後(日本は65%)で、この両端に高所得層と低所得層が存在する。

 

今、世界で中間層の二極化(所得と仕事)が進んでいるという。

 

若年世代の所得が低下したり、若年世代が中間層から落ちこぼれたら子どもを持つことをためらいます。人口減少に歯止めをかけ、日本経済を復活するためにも、中間層の復活が必要だと警告しています。

 

中間層は所得水準の高い現役期に住宅を購入し、高齢期の年金生活に備えることが一般的ですがそれが崩れて来ています。

 

中間層は、賃金が上がらない中で住宅費や教育費の生活コストの問題に直面しています。

 

日本の中間層の経済的安定性が揺らいでいると記事は警告しています。

 

中間層の衰退の背景には「仕事の二極化」もあるという。中間層の労働者が担って来た定型タスクの仕事が低下したという。更に今後人工知能やロボットなどの自動化技術の進化によって中間層の仕事は失われつつある。

 

高スキルの人材育成と共働き世帯への支援、「成長と分配の好循環」を実現するカギはここにあると、記事は指摘しています。

 

2022年、統計開始以来初めて、年間出生数が80万人を割った(少子化)ことが象徴しています。

 

中間層の家計を支える、各種子育て支援・高等教育の充実・住宅手当を導入する等の中間層の支援が重要です。

 

記事は、子供たちに不利な環境で人生をスタートさせてはいけない!

 

未来の日本社会のためにも中間層の再生が求められます、と記事は結んでいます。

 

グットタイミングの論文でした。9回のシリーズを毎日楽しみに読みました。

 

本当に、若者世代が元気になる政策をドンドン進めてもらいたいものです。