森林の整備を里山まで広げる時が来ています。

しまだ環境ひろば 「水とみどり 担当」 と 「事務局」 です。

 

しまだ環境ひろばでは、もう10年余前に、島田市の支援を貰って、「あなたが守りたい、しまだの里山はどこですか?」と題して、しまだ里山25選パンフレットを製作しました。

 

 ※ まだ在庫あり。ご要望の方はコメントください。

 

パンフレットをもとにして毎年、「しまだの里山をバス(市有車)で巡ってみよう」を企画し、市民を募集して里山25選を巡りました。

 

川根町が島田市に合併した時には、まちづくり川根の会の協力を貰って、川根5選を手づくりで追加し、しまだの里山30選をバスで巡り走りました。

 

この企画は非常に好評で、広報しまだで公募すると、申込者が殺到し、その日に満員御礼になる程の人気ぶりでした。

 

今、人口減少、農家の高齢化・後継難で、里山が荒れ出したと言われています。

 

里山は、人里に近い所に、小高い山があり、そこから小川が流れ、溜池があり、田んぼや畑があり、田植え時には小川から水が張られ、木々のみどりと清流が調和した素晴らしい光景です。

 

そこには、どじょうメダカタガメゲンゴロウなどの水棲昆虫が宿り、それを主食とする野鳥たちがやってきます。

 

里山とは、これら自然に、人の手が少し加わって、出来上がった風景を言います。

 

里山は、人がちょっと手を抜くと、木々は茂り、雑草が蔓延り、生態系が壊れて土地は痩せて行き、いつしか人も住めなくなります。

 

一方、山間部には、雑木林人工林があります。

 

雑木林は、長い年月の中で、倒木と新木を繰り返しながら、四季折々、新緑と落葉の繰り返しが自然になされるので、人の手が入らなくても新陳代謝して行きます。

 

人工林(杉・檜)は、やはり人の手(間伐・枝打ち)が入らないと陽の光が遮断されて、いつしか全滅してしまいます。

 

昨今、災害時に地すべりや、土砂崩れが多発していますが、その多くは人の手が入らなくなった、痩せた人工林が多いと見受けられます。

 

多少の手を入れても、根が太く、深く張らず、少しの衝撃や振動で下面に土砂と一緒にづり落ちて、大災害をもたらします。

 

里山も人工林も、だんだん人の手が入らず、豪雨や地震によって崩壊の危険が出てきました。

 

今、国や県の森林税を使って、山奥の森林の整備がなされていますが、里山里山に近い人工林の整備が必要になって来たことを痛感しています。

 

整備の対象を、中山間部だけではなく、里山に広げるべき時が来ています。