自然環境の保全と、人の手との調和

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

一口に自然環境の保全と言っても、多岐にわたります。

 

■ 川や水を守る。

■ 森林を守る。

■ 農地を守る

■ 多様な生き物を守る。

 

これら自然が調和し守られている典型的な場所が、里山です。

 

多くの里山の場合、真ん中に谷川(清流)が流れ、上流には溜池、山すそには雑木林果樹園茶畑人工林、谷川の右岸・左岸には、田んぼや畑が配置され、水路により水が注がれ、生態系が保たれ、これらが調和して美しい景観を保持しています。

 

里山人の手が入って調和が維持されていますが、もし2~3ケ月放置すれば、調和は崩れ、景観は見る影もなくなります。

 

雑草やつる物や竹が蔓延り、目を覆う惨状になります。

 

今や、里山の維持保全に人の手が入ることに反対する人はいません。

 

それでは、山間部の人工林はどうか。

 

国の施策で、日本の山間部には物凄い量の杉・檜が植林されたわけですが、外国産の安い木材に対抗できず多くの人工林が荒廃し、今や私有林にも環境税を注ぎ込んで人による間伐や枝打ちを行い、何とか治山治水に応えています。

 

人工林の周りには、雑木林が存在しますが広葉樹・落葉樹林が大半ですので、多くの木が落葉し自然の恵み、陽の光が差し込みますが、やはり枝打ち等の人の手を入れる必要があります。

 

山の上層部には、ブナやヒメシャラなどの林がありますが、自然淘汰を繰り返しますので人の手を入れる必要はあまりありません。

 

このように適度に人の手を入れ乍ら自然は保たれています。

 

島田市でも、多くの市民団体が、いくつかの森や林に手を入れ一時期はきれいに保全されてきましたが、現在は放置されている箇所が多くお荷物化しています。

 

しまだ環境ひろばも、現在4カ所の市民農園や梅林・果樹園を管理していますが、会員の高齢化と後継難で、維持保全に頭を悩ませています。

 

どう、継承したら良いか。

 

人の手を入れなければ、短期間で元の荒廃した雑草地や竹林に戻ってしまいます。

 

自然環境に人の手を入れると直ぐ反対を叫ぶ人やグループがいますが、ほったらかしでは成り立ちません。

 

 ■ どういう手の入れ方をするのか。

 ■ 入れた後の保全をどうしていくのか。

 

自然環境の保全は、人の手を適度に入れて調和を保つことが必要です。

 

また自然環境の保全と、経済の繁栄は矛盾や二者択一するものではありません。

 

人が生きて行くためには、自然環境との調和は永遠の課題でしょう。

 

そのためには地域の全容を誰かが掴んで、的確に継承していくことが肝心でしょう。

 

そうすることが、自然と人の手が調和して機能や景観を保ち、ひいては地域の繁栄に結び付いて行くのではないかと確信します。