同性・異性に限らず友人がいますか?

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

昨日(8月3日 水)は、先輩の女性から「暑中見舞い」のハガキが届きました。

 

彼女からは、年に何回か(年賀ハガキ・バレンタインデー・暑中見舞い・その他折に触れて)お便りを頂きますが、いつも小まめに近況報告をしてくれる中で、こちらの健康を優しく気遣ってくれ、いつの間にか便りが届くのが楽しみになっています。

 

数年前のお手紙で86歳と書いてありましたので、もう90歳を超えたと思いますが、筆まめで、いつも明るく元気で、周りを楽しくさせる、こういう異性の先輩でもあり友人と便りを交わす幸せを感じます。

 

彼女とは、普通のことは何でも話せる関係ですが、未だ悩みごとを訴えたり、相談に乗ってもらったことはありません。

 

去る8月2日(火)、日経新聞朝刊 26頁に「中高年男性の孤立注視を」というタイトルで、東京大学 本田由紀教授」の寄稿論文が報じられました。

 

記事はポイントを次の3つにまとめています。

 

  ■ 日本の中高年男性の友人の少なさが突出

  ■ 社会関係の乏しさは排外主義につながる

  ■ 旧来の男性優位の価値観からの脱却が鍵

 

記事は2020年の暮れから翌年1月までに実施された内閣府の調査「日本とアメリカと欧州4カ国の60歳以上の男女を対象にした友人の有無」を紹介しています。

 

この調査によると2つの大きな問題が浮かび上がったとのこと。

 

(1)一つ目は、日本の男性において、「同性・異性の友人がいずれもいない」40%を占めたということ。

 

(2)2つ目は、日本の高齢男女とも、「同性・異性の両方に友人がいる」が、他国よりはるかに少ないことが分かったという。

 

この傾向は、年齢層を広げても同じ傾向が見られるという。

 

「悩みごとを相談できる友人の数」を問うと、「そうした友人はいない」比率を見ると、年齢を追うごとに多くなり、中高年齢層で明確に多いという。

 

女性だけ取り出してみると、「悩みごとを相談できる友人がいない」比率が最も高い70歳代でも27%に止まり、日本の、特に中高年男性に際立って多く、「深刻な孤立状態」にあるという。

 

更に、2つの質問「悩みごとを相談できる友人の数」「生活に満足している」を掛け合わせると、明らかに友人の数の多い人は生活も満足している傾向がある。

 

「悩みごとを相談できる友人がいない」場合に「排外主義的」な意識が高まるという分析もあるという。

 

「人前で弱みをさらけ出してはならない」という男性の特有の意識、「男らしさ」という感覚が、中高年男性の社会と交わることを阻害していることが容易に疑われるという。

 

記事は、日本の男性、特に中高年男性に見られる特異性である「男らしさ」に縛られ、コミュニケーションや人間関係から疎外されがちな問題は、日本が抱えるもう一つの巨大なジェンダーギャップ=(男女間格差)」だと言えるだろう、と記事は結んでいます。

 

そう思う筆者も、「個人的悩みごと」を打ち明け、相談できる異性はいない。

 

同性は何人かいるが、本当に親身になって相談し合える友人は、人生の大半を一緒の釜の飯を食べあった元会社の友人2~3人しかいない。

 

幸い、地域社会に出て15年、普通のことは気軽に相談できる友人が増えたお蔭で「排外主義」に陥ったことはないし、これからもない。

 

自分の考えを持ち、人の話を先ずは聞くことを信条としていけば自ずから道は開ける。