「しずおか小水力発電フォーラム」 その2

NPO法人 しまだ環境ひろば 「エネルギー・まちと交通分科会」 です。


2月12日 「しずおか小水力発電フォーラム」 の会場になった、「静岡市東部勤労福祉センター 清水テレサ」 は、大きなホールがほぼ満員の盛況振りでした。


冒頭の、主催者 (静岡県農業水利施設を活用した小水力等利用推進協議会) の紹介にもあったように、同協議会会員は、設立時の会員数56団体に対して、現在は126団体になっているという。


関心の高さが窺われます。


当日は、基調講演と、事例発表でしたが、その内容は、”地域主導型の小水力発電の創出” が話の中心でした。


従って、私たちのように、”地域で、地域の資源を利用して、地域のために小水力発電モデルをつくろう” とするものにとっては、大変勇気づけられる
フォーラムでした。


■ 基調講演 「地域主導型の小水力発電の導入について」 講師:全国小水力発電推進協議会 松尾寿裕 氏


  ◆ 協議会は2005年7月設立 ◆ 全国協議会・地域協議会17団体
  ◆ 会員数 85団体・個人会員125名 だという。
  ◆ 山梨県南アルプス市 金山沢川小水力発電所(100KW)他、数ヶ所の事例の紹介があった。
  ◆ 最後に、「中小水力発電総合補償プラン」 (保険) の紹介があり大変参考になりました。


■ 先般島田市で、実証実験を試行した、「静岡中部金属開発組合」 吉田氏より、「小落差を利用した小水力発電機の開発と実証」 と題して、主に同組合の開発機種の紹介がありました。


  ◆ 流水路用発電機(オープン式タービン)・段差用発電機(助走路式タービン)・低落差用発電機(可変ピッチ式タービン)など数種類の発電機の紹介がありました。 こんなに作っているとは知らなかった。


■ 次いで、(株)イオン住研 大井氏より 「水力発電による地産地消プロジェクト」 と題して、富士山 (富士宮市) からの急勾配の落差を利用した、”地域のための小水力発電” の事例発表がありました。


  ◆ 始めから売電は考えずに、地域の6次化産業への活用を考えたところが素晴らしい。

  ◆ 市民や、行政や、市会議員、地元業者、みんなの力の結集が実っているとのこと。


■ 「狭小・小水量に最適化した小水力発電機試作・実証」 と題して、MNJ(株) 千葉氏から、「500Wマイクロ水力発電機」 の紹介がありました。


  ◆ 4人家族 一年分の電気を発電できるという。 工事費はゼロ。


■ 次いで、農研機構 農村工学研究所 波平氏から 「緩勾配における開放型水力利用装置」 の紹介。


■ 「農業用水を利用した地域活性と地域防災」 と題して、自然エネルギー利用推進協議会 岡本氏から、 非常時のエネルギーのベストミックスについて紹介がありました。


■ 最後に、農村工学研究所 後藤氏から、「農山村における再生可能エネルギーの利用について」 と題して地域の視点から、小水力発電の目指す方向について示唆がありました。


  ◆ 小水力発電導入はあくまで ”目的ではない” と強調されていたことが印象的でした。
  ◆ 主体は地域住民だ。


今回のフォーラムは、基本的なことでしたが改めて、良い勉強になりました。