市民活動団体の多くが遭遇する宿命

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。


しまだ環境ひろば」 は、13年前の8月に設立されて、「島田市環境基本計画」 に自ら書いた、望ましい環境像の実現 (5つのまちづくり) に向けて、市民の取組みを地道に実行して今日に至っています。


 <望ましい環境像を実現するための、5つの環境まちづくり


  ◆ 豊かな水を活かし、みどりあふれるまち

  ◆ みんなで4Rを推進するまち

  ◆ 自然エネルギーいっぱいのまち

  ◆ 健康な食文化を育むまち

  ◆ 一人ひとりの主体的な取組とパートナーシップのまち


活動を進める中で、環境保全活動のフィールド (現場) を実際に持たなければ説得力に欠けるとして、これまで次々と活動現場を拡大してきました。


  ◆ 放置竹林 2ヶ所 (伊太八幡宮西竹林・伊太八倉町公会堂横の竹林)、数年前までは5ヶ所もありました。


  ◆ 耕作放棄地を再生した市民農園 2ヶ所 (御仮屋・中溝町)


  ◆ 放置梅林 1ヶ所


しかし、高齢化、会員数の減少、後継難で、確実に活動力が落ちてきました。


現場 (肉体労働) に出動してくる人数も限られた会員に絞られてきました。


活動の基本は、ボランティア (無報酬) で、”怪我と弁当は自分持ち” が、暗黙の了解事項になっています。


しかし、それでは長続きしないので、3年前に、「NPO法人化」 して、報酬は払いませんが、経費 (出張費・出動費・燃料費・個人道具の使用料・現場維持管理費など) は、細則化して支払うようにしました。


労働は無報酬ですが、経費の個人負担はなくしました。


保険も、会の負担で全員加入しています。


そのかわり、現場の活用による収入を得る活動が始まりました。


経費支払いのうち、現場の主管理担当者には、そうでない人と少しですが差をつけています。


差をつけることに不満を感じる人がでてきました。


ボランティア集団の抱える悩みは、基本的に個人都合優先で、できる範囲の協力が前提になりますが、世の中の仕事は常識的に、個人都合優先は成り立ちません。


そこで多くの市民活動団体 (多くはボランティア団体) は、役員クラスか、社会的使命感 (世の中への貢献) を持った一部の会員が、不足する分をカバーしています。


何をやるにも、準備」 と 「後片付け」 があります。


また、仕事には、品質」 と 「納期」 が必要です。


当日だけ出て来る会員だけでは成り立ちません。


実は、万全な準備が終われば、そのイベントは終わったも同然、結果は、準備の良し悪しで決まるからです。


しまだ環境ひろばには、そういった使命感を持った会員がいたからこそ13年間も長持ちしています。


しまだ環境ひろばは、恐らくこの形でこれからも維持運営されていくと思います。


昨年立ち上がった、「相賀の里を良くする会」 に、事務局入りをしていますが、早くもこの問題に突き当たっています。


出動が、限られた人になって来て、設立時の意気込みが後退してきた事です。


多くの市民活動団体が、2〜3年で感じるジレンマです。


これを乗り越えるには、使命感を待った数人の会員が頑張るか、法人化して事業を採算ベースに乗せて社員化 (報酬の支払い) するかのどちらかです。


国は、NPO法を改正して、後者を支援しています。


そうしなければ、市民活動も長続きしないからです。


ボランティア (無報酬) を基本とする、市民活動団体が遅かれ早かれ遭遇する ”宿命” です。