NPO法人の行方
NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
非営利で社会貢献に取り組む民間団体の発展を促すための、「特定非営利活動促進法=NPO法」の施行から20年が過ぎた。
1995年1月に発生した阪神・淡路大震災は、「ボランティア元年」と呼ばれ、多くのボランティアが復興を後押ししました。こうした市民活動が、国会を動かして、1998年3月に議員立法として成立しました。
2001年10月には、公益性が高く、一定の基準を満たしたNPO法人を認定し、それらの団体への寄付を優遇する「認定NPO制度」が導入されました。
認定NPO制度に挑戦し、合格した団体は、世の中にその存在を認められて、営利・寄付金・助成金など広く資金手当てをしながら、社員を雇用して事業を拡大していくこととなる。
NPO法は、活動によって収益を上げることを奨励し、分配は禁じていますが、次なる事業の活動費に充てることを認めています。
どんな団体でも、社会貢献という目的の達成のための活動を開始して5年位で壁が立ちはだかります。
多くのNPO法人が、厚い壁に立ち往生しています。
壁の一つ目は、活動を拡大するか、現状維持するか、すなわち、活動を事業化していくか、同好会や仲良しクラブなどのように無理をしないでできる範囲の活動に止めるか、会の目指す方向の重要な岐路を迎える。
ここでは、人材がいるか否か(経営センス)も重要な岐路となる。
二つ目の壁は、資金とその出所を何処に求めるかの問題です。
怪我と弁当は自分持ちは、ボランティアの基本ですが、今は時代に合わない。労務費はともかく、経費まで自己負担は長続きしない。
どんな会でも、最低事務費や燃料費は必要で、最初は会費や助成金で賄うも、活動が拡大して来ると不足して来る。増してや会員の活動保険料や少しでも出動費(報酬ではなく、お弁当代や交通費名目)を負担し始めると資金が不足し、営利活動を余儀なくされます。
営利活動を行えば、ボランティア活動だからと言っても甘えは許されない。
最低、納期(期限)と品質(出来映え)は、民間の競争条件下にさらされ、競争できなければそこで脱落である。
そんなに世の中は甘くない。
ここまでくると、会員の姿勢や覚悟が2つのグループに分かれる。
営利を目指すグループと、同好会的活動を目指すグループに。
前者の考えで纏まった会は、一部の会員が脱落して、事業拡大に向かうことになる。
後者で纏まったグループは、事業化を諦めて仲良しクラブとなって行く。
大概の市民団体は後者を選んで、高齢化・後継難・資金難で時が来れば消滅していく。
前者は、厳しい世間の荒波に洗われて、必死で生きて行く道を歩んでいくことになる。
島田市には、NPO法人への登録団体が27団体ある。(島田市ホームページ)
この中で、民間企業と戦いながら事業化を目指している法人は、2~3団体で、後は後者を選び、この数年で多くの団体が消滅しています。
NPO法人の内、約3割は、保健・医療分野で、まちづくり団体や学術・文化・芸術団体や子供の健全化育成団体が概ね10%づつ、環境団体は8%と低い。
NPO法人が、資金と人材を得て事業化できる分野は、「保健・医療分野」くらいかもしれない。
まちづくりや環境分野で事業化するのは非常に難しい。
しまだ環境ひろばも、人材難・後継難(若者)で確実に後者の方向を歩んでおり、残念でならない。