有効利用したい、所有者不明な土地

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

しまだ環境ひろばでは、平成17年から、山里6ヶ所の放置竹林の再生を手掛けて来ました。

 

6ヶ所のうち4ヶ所は地主が初めから判明し納得づくの整備でしたが、2ヶ所はやっとで地主を探し出し、しぶしぶ整備を了解させての着手でした。

 

あの頃は、暴走する放置竹林整備のため、何とか地主を探し出し、毎日曜日に竹林にボランティア出動する意気に燃えていました。

 

整備が進むにつれて、境界線や持ち主が分からなくなり、未だに所有者がはっきりしない土地があります。

 

6ヶ所のうち、現在も継続して維持管理しているのは2ヶ所、しかし隣接する周辺で、地主不明でほったらかしが増え続け、景観を脅かしています。

 

中には、土砂崩れの危険個所もあります。

 

整備完了後撤退した4ヶ所のうち3ヶ所は、今では見る影もない荒廃した竹林に戻っています。

 

あと1ヶ所は、竹は皆伐したのでその後生えてきていませんが、荒廃が進んでいます。

 

情けない限り!

 

政府は、2018年、所有者不明土地の活用と増加防止のための法整備を開始しました。

 

都道府県知事が、公益目的があると判断すれば、所有者不明土地を使えるようにしたものです。

 

こうした措置にも拘わらず、未だ所有者不明土地は増え続けています。

 

これは、相続が発生しても、■ 登記義務がないこと。■ 申請しなくとも罰則がないことが原因し、死亡者の名義のまま放置し所有者が分からなくなるケースが多発しています。

 

政府はこのほど、相続や住所・氏名変更の際は、登記を義務付けし従わない場合は過料を科すことを今国会で成立させて2023年度に施行することを決めたとのことである。

 

これで新たな所有者不明土地が生まれることは抑制できそうですが、現在所有者不明となっている土地は放置が継続されることになります。

 

所有者不明土地は、九州全土に匹敵するという数字もあり、次は既存の不明土地の有効利用に着手してもらいたい。

 

所有者不明土地は、山奥の山林だけではなく、山里の山林や地域の公共施設にもあります。

 

何とか法整備を進めて、所有を明確にし、有効利用したいものです。