半世紀をかけた林政の歴史

しまだ環境ひろば 「水とみどり分科会」 と 「事務局」 です。


今日 (9月27日 火) の、日本経済新聞 40頁  文化欄に、50年をかけて、「日本近代林政年表」 を作った、香田 徹也さんの苦労話が紹介されました。


少しですが、森林や里山保全など環境問題に携わる者として、非常に興味深く記事を読みました。


この記事は、”日本は、国土面積の7割近くを森林が占める。そんな国にいながら人々の生活と森林のかかわりの歴史を殆ど知らない。” から始まっています。


確かに、私たちは、日本の森林でどのようなことが起き、何がどう変化してきたのかを殆ど知りません。


山にはそれぞれ持ち主がいる。その持ち主は、明治維新 版籍奉還により、国土面積の2割を占める国有林ができたり、民間でも曖昧だった山の持ち主が固まっていったという。


戦後GHQの指導により、社寺上地林のほとんども、国から社寺に返されたという。


日本では古来、山岳信仰が盛んで、富士山の8合目以上の大部分は冨士山本宮浅間大社の所有、箱根外輪山の豊かな人工林 「道了さん」は、大雄山最乗寺の所有だという。


また国有林は、戦前は内務省宮内庁農商務省などの管理だったという。


筆者の香田さんは、1956年に名古屋営林局に就職以来、53歳で退職後も年表作りに没頭し、手がかりを探して全国の営林局・営林署、図書館をくまなく歩き、記録を集めて、今回の集大成に漕ぎ着けたと言う。


本当にご苦労様と言いたい。


林政の歴史は深くて広い。記録や資料は国民のものだと言う。近いうちに本書を読んでみたい。