2030年の電源基本政策の大転換

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

昨年(2019年)の11月9日~20日まで開催予定されていた、「国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)」が、新型コロナ感染拡大のため延期され、来年(2021年)11月1日~12日  イギリス グラスコーで再開されることになっています。

 

一年延期されましたので、最近やや話題性に乏しくなってきたきらいはありますが、その分各国共、「パリ協定」の実現に向けて検討の深堀りがなされるものと思います。

 

COP25で、脱炭素化の取組みが手緩いと、各国から批判を浴びた日本はこの6カ月で大きく路線を変更しました。

 

 ■ 日本は、石炭火力発電所の輸出支援の条件を厳格化する。すなわち環境対策の方針が確認できない国は支援しないとしました。日本の金融機関や商社も投融資を控えると言っていますので、事実上火力発電所の輸出は止まると、小泉環境大臣が発言しています。

 

 ■ 日本の電力の2030年基本計画は、火力56%(内LNG27%・石炭26%)、原子力20~22%、再生エネ22~24%としています。

 

  ◆ 再エネは現在17%だ。(内大規模ダム発電が約8% その他の再エネ9%)

 

 ■ 梶山経産大臣は、非効率な火力発電所廃炉にして行くと発言しました。

 

 ■ 小泉環境大臣は、原発は議論は良いがまず無理だろう。再エネは当面22~24%を目指すが、将来は倍ぐらいにはしなければならないだろう、と言っています。

 

  ◆ 産業界の経済同友会は、2030年の再エネを40%に引き上げを提唱。

 

 ■ 経済産業省は、再生可能エネルギーの事業者が送電網を優先的に利用できる仕組みに変えて行くと発表しています。現在は大手電力などが保有する送電網を先に申し込んだ事業者が優先的に利用枠を得られる「先着優先ルール」が幅を利かせています。

 

 ■ 現状のルールでは大手電力会社が枠を押えているので、再エネ事業者は発電量の抑制を求められ非常に不利な立場に置かれています。

 

 政府は事実上、2030年の電力基本計画の旗を下ろし、再生可能エネルギーを主力電源にする新しい計画を今回示したわけで、それを実現するための、発送電分離を行い送電網を再エネ事業者が優先的に使えるルール変更に踏み出しました。

 

物凄い政策の転換(脱炭素化と再エネの主力電源化)です。

 

これを受けて、NTTなどが、自前の発送電網を整備して再エネ事業に本格的に参入すると発表しました。

 

三菱商事・コンビニのローソンは全店を再エネ化する方針を発表。

 

日本企業37社が、自社が使用している電気を100%再エネにすると発表しました。

 

再エネ市場は再び活気づく事だろう!