NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
今日の新聞のトップ記事は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、「産業革命前と比べた世界の気温上昇が2021年~2040年に1.5度に達する」と予測した報告書を公表したことです。
※IPCCとは、気候変動に関わる最新の研究成果を整理して定期的に公表する国連の組織を言う。今回は第6次報告書を公表した。
今回の報告書の特長は何と言っても、「昨今の世界の気候変動は、人間活動がもたらした温暖化が影響していることは疑う余地がない」と断定したことです。
これまでは、猛暑や豪雨などの異常気象と温暖化の関係は「わからない」とするのが正しかった。
ところが最近、猛暑や豪雨は「温暖化がなければ起こらなかった」と明言する研究者が現れ大きな反響を呼んでいました。
これは、異常気象と温暖化の関係を読み解くコンピューターの手法が世界で開発されていることが功を奏しています。
まだまだこれからだそうですが、「温暖化がある現実の地球」と「温暖化の影響がない架空の地球」を再現するなど、解析の手法が大きく進んでいるとのこと。
これまで気候変動は温暖化のせいかそうでないか、賛否両論が入り乱れていましたが、今回の報告書は明確に断定しましたが、気温上昇を抑制する難しさも改めて浮き彫りにしたとも言えます。
報告書は、5つのシナリオを示し、2050年から2060年に温暖化ガス排出量を実質ゼロが実現する最高のパターンでも、世界の平均気温は1.5度上昇するというもの。
21世紀に入り、地球の平均気温はすでに1.0度は上昇しており危機的状況にある。
こんな中でも、世界の温暖化ガス排出量削減の目標の足並みはそろわず、中国を含めた発展途上国は、先進国の目標アップを繰り返し主張し未だ纏まらない。
来る10月末に開幕する「COP26=第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議」に決定を委ねることになるが、参加各国が今度こそ後がないことを肝に銘じて正面から取り組んでもらいたい。
今回の報告書を受けて、私たち国民・市民も「地球温暖化による気候変動は、私たち自らが作り出したもの」ということを正面から受け止めて、温暖化防止活動を「自分ごと」にして取り組まなければならない。