マイナンバーカードとワクチン接種の大混乱

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

マイナンバー制度が施行され、平成27年10月(2015年)より、住民票を有するすべての国民に「通知カード」が郵送され、平成28年1月から本人の申請によりマイナンバーカード」が交付されています。

 

令和2年5月以降は、「通知カード」に代わって「個人番号通知書」が郵送され、本人の申請によりマイナンバーカード」が交付されています。

 

マイナンバー制度は、次の3つの目的を持って、国民の義務として制度化されました。

 

 ■ 公平・公正な社会の実現: 国民の所得状況が把握されて不正・不当な行為がなくなる。

 

 ■ 国民の利便性の向上: 社会保障や税に関する手続きが簡単になる。

 

 ■ 行政の効率化: 行政内の書類の照合・転記など無駄な作業がなくなる。

 

これまで、マイナンバーカード交付手続きを取った国民には、「マイナーポイント」を付与するなどのカード発行の促進策がとられましたが、まだ交付率は36%(8月1日現在)に止まっています。

 

 ※ マイナーポイント: 既に有効期限切れ(令和3年4月まで)になりましたが、交付申請をした人に5,000円(指定店)を付与し自由に使える仕組みでした。

 

コロナ禍、政府・自治体は新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、ワクチン接種を懸命になって推進中ですが、接種の予約で大混乱になっています。

 

混乱の原因は、ワクチン接種の希望者の特定、接種日時や場所の特定がうまくできないからです。

 

静岡県川根本町は、住民票に基づいて全住民に指定日時・場所を往復ハガキで通知し、希望を取って実施し近く、極めてスムーズに希望者全員の2回目接種を終えるという。

 

これだ!

 

マイナンバーカードが普及していればこんなことはなく、ワクチンの入荷予定に合わせて、マイナンバーの登録者に接種の指定日時と場所を連絡(オンライン・電話・郵送等)し、変更希望者は変更して、整然と接種ができた筈である。

 

マイナンバーカードの普及が遅れて全く機能せず、自治体ごとに種々な予約方法がとられ、それが徹底せず大混乱となってしまった。

 

私たち国民は、こういう時のために「マイナンバー制度」ができ、行政は懸命にその普及を促しているのに、まだ7割の国民が協力せず、問題が起これば文句ばかり言う。

 

私たち国民の怠慢も混乱の原因であることを、先ずは反省しなければならない。

 

今回のワクチン接種予約の大混乱の総括はしっかりやるべきだと思う。

 

個人の権利、個人情報の守秘義務は重要なことですが、公平・公正な社会づくりも非常に大事なことです。

 

今、私権の制限が論じられていますが、真剣に考えたいものです。