「家庭ごみの減量シリーズNO.6」なぜ、紙を燃えるごみ袋に入れるのか?

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

家庭ごみの減量について、9月17日から書き始めて今日(9月22日 木)で連続6日目(NO.6)、ごみの種類別の減量策を毎回おさらいをしながら書いています。

 

ごみの減量は「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きます。資源ごみ(ビン・缶・ダンボール・新聞紙など)の分別は当たり前になっていますが、問題は「燃えるごみ=可燃ごみです。

 

島田市可燃ごみの種類別構成比(ごみの重量組成率)は次の通りです。

 

   (単位:%)      生ごみ 雑紙・布 その他(プラ・草等)資源ごみ   

しまだ環境ひろばの推定値   35   30      30     5

生ごみに水分を含む)

島田市公表(生ごみ水分除く) 22   37      35     6

 

可燃ごみの中で、一番厄介で、一番処理が難しく、一番お金がかかっている生ごみ」の減量策から順次論じています。

 

 ■ 生ごみ「自家堆肥化」している家庭は大貢献であり表彰ものです。

 ■ 生ごみを市のごみ収集車に依存している家庭の最大使命は、生ごみから水分を除去することで、自家堆肥化家庭に匹敵する大きな貢献をすることができます。

 

「自家堆肥化」生ごみから水分を除去する」どちらかを実行することで燃料費・運搬費・労務費等々莫大な経費を削減できると共に、CO₂の排出削減で地球温暖化防止に貢献できるのです。

 

以上はおさらいで今から、燃えるごみ袋に入っている「雑紙」の減量について考えて見ましょう。

 

なぜ、燃えるごみ袋の中に「紙」がこんなに混入しているのでしょうか。

 

ダンボール・新聞紙・広告・チラシなどは、資源ごみとして分別するのは当たり前ですが、未だに「燃えるごみ袋」に入れている家庭がある。その殆どは知っていてやっている人(確信犯)か、悪いクセ(習慣化)が染みついてしまった人ですが全体の中の少数派です。これについては今日の最後に詳述します。

 

問題は大多数派で、「雑紙は資源である」ことを知らないか、無頓着で、くらしの中で習慣化している家庭でしょう。

 

先ず雑紙とは? 

 

 ◆ 紙製の箱類(ティッシュの空き箱・お菓子の空き箱など)・各種紙袋・包装紙・封筒・ハガキ・便箋・メモ用紙・コピー用紙など。

 ◆ トイレットペーパーの芯・カレンダー・割りばしの袋なども対象で幅が広い。

 ◆ 雑紙として回収できないものは、ティッシュペーパー・紙コップ・紙おむつ・感熱紙・カーボン紙・汚れやにおいのついた紙類など。

 

さて、日本の普通の家庭には部屋別に「ごみ箱」があり、ここに入れた雑紙は「燃えるごみ袋」行きだ。ここから資源化される紙はない。だから

 

 ◆ 雑紙を部屋のごみ箱に入れない「クセ」をつけることだ。

 ◆ 部屋別に置いてあるごみ箱を一斉に無くすのも一つの方法です。置いてあるとついクシャクシャと丸めて捨てるクセが出ます。

 ◆ その前に丸めて捨てる「悪いクセ」を無くすことです。丸めるとどうしてもごみ箱に捨てたくなります。

 ◆ 紙は全て平たく伸ばして捨てる「良いクセ」をつける。

 ◆ その代わりに、家の中の一番都合の良い場所に「雑紙専用保管箱」を一つセットすることです。

 ◆ 雑紙専用保管箱は、A4版の紙が入るくらいの大きさのダンボール箱か、使い道のない葬式用の大きな袋(最近は紙製が多く口を縛って排出できる)で充分である。

 ◆ 雑紙専用保管箱は、平たく伸ばした紙(箱類も平たく)が入り易いように上部の口を少し広くするなど工夫するともっと良い。細かく裁断した紙が入るように大きめの封筒を入れておくと紙が散らばらないで便利である。

 ◆ 個人情報が書かれたレシート等の紙も、裁断するか細かく破るかして封筒に入れるようにすれば分別の対象になる紙はグット増える。

 ◆ 排出は、雑紙専用保管箱から取り出し、紙ひもで括って市の指定の排出場所に搬出する。(島田市の場合は月二回、行政回収されます)

 

搬出の方法は4つありますが、(1)が一番望ましい。

 

(1)集団回収:自治会が主催して業者に回収を依頼し、市から助成金を回収するシステムです。

    ◆ 回収するお金が高い。

(2)行政回収:行政が指定の場所から指定の日に回収するシステムです。

    ◆ 市からの助成金は極く僅かです。

(3)大通りの片隅に民間業者が回収ボックスを設置しその中に住民が置いて来る方式

    ◆ いつでも搬入が可能な代わりに、自治会にも個人にも収入はゼロ。

(4)民間廃品回収業者に回収日時を登録し、業者が玄関先まで取りに来る方式

    ◆ 住民にとっては非常に都合の良いシステムですが収入はゼロ。

 

ごみの減量は、「分別・資源化・お金に換える」ことに尽きますが、ごみを地域の自治会の資金に換えることができれば本望でしょう。

 

自治会(町内会)によっては、市や自治会の指定日に、高齢者の家を訪問して自分の雑紙と一緒に排出をする「お年寄り見守り制度」を運営している所もあると聞いています。雑紙回収とお年寄りの見守りで町内会住民の絆づくりに役立てている模範例です。

 

また、雑紙回収の収入を学校の運営(音楽の楽器の購入費や放課後クラブ活動費など)に充てようと、児童・先生・父兄会が連携・協働している例はいっぱいあります。

 

なぜ、紙類が燃えるごみ袋の中に30%も入っているのだろうか。

 

もう一つ大きな要因は、燃えるごみ袋の中を外から見られたくない、カラスに突つかれたくないと、新聞紙やダンボール紙で、内面を覆う風習が多くの家庭で見受けられます。

 

紙を燃えるごみの中に入れることは良くないと知っていて、中身を隠すことを優先する確信犯です。

 

袋のデザインを変えて中を見にくくする方法を提案していますが、焼却センターで焼く時に、作業員が袋の中の不審物を監視しており、それができなくなると実施を引き延ばしていますが、今より少し見にくくして紙による覆いは禁止すべきでしょう。

 

燃えるごみ袋に、日常平気で雑紙を入れる人、時間に追われて燃えるごみ袋に何でも突っ込んでしまう人、このような人は論外ですが、排出場所で監視して現場で教育して行くしかないでしょう。島田市には自治会に衛生委員が配置されています。

 

一人当たりのごみの排出量が少ないトップクラスの、近隣の掛川市(全国NO.1)藤枝市(全国NO.5)は、衛生委員の活躍が非常に活発なようです。

 

以上のような対策を一斉に打って、市民が協力すれば雑紙の燃えるごみ袋への混入は減少し、引いては雑紙の回収は激増することでしょう。

 

とにかく、紙を燃えるごみ袋に入れない「良いクセ」を習慣化しなければならない。

 

やればできる!

 

明日は、「古布」についてです。 お楽しみに!