NPO法人調査

しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

去る2月9日に、「eコミしまだ」主催、「ふじのくにNPO法人」協力のもとで開催されたNPO法人学習会で配布された、調査報告書をじっくり読んでみました。


昨年12月に発表された、「2010静岡県NPO法人実態調査」の調査内容は、現状のNPO法人の実情や、悩みを実に忠実に捉えていると思います。


調査対象の75%を、訪問回収していることも大変に評価できます。

回答者も、偽りのないところを回答していることが、報告書の結果で良く分かります。

調査の目的は、”NPO法人の実態を把握して、活動支援に役立てる” としています。


是非共、今後のNPO法人やボランティア団体が何に困っているのか、充分つかめたわけだから、今後の制度改革や、運営支援に大いに役立ててほしい。


そこで、最大の悩みである2大問題点 (■ 資金不足 
■ 人材不足)
 について、実体験をもとに、もっと深い、本当の悩みを論じてみたい。

1 資金不足問題 その内訳は、会費・寄付金・助成金・借入金・事業収入などであるが、問題はその中身の実態である。


 ◆ 会費は、一人 1,000〜3,000円 位で、少額であり、とても会を支える金額にはならないが、値上げもまたできない。
 ◆ 寄付金は、誰か奇特な人が、多額な寄付をしているわけではなく、会員が仕事をして、その報酬を全額(もしくは一部)寄付をしているにすぎない。
 ◆ 助成金の現実は、使途範囲が厳しく限定されており、団体の運営費に充当することはできず、余ったら返却義務があるので使い切ることになる。
また、後払いが多く、資金が入金するまで役員の立替になっている。
 ◆ 借入金の大半は、役員の持ち出しや、立替金である。
 ◆ 事業収入は厳しく経費を差し引くと実態は赤字が多い。介護事業など、収入の道が確立されている事業は成立つが、環境などでは困難である。 
 ◆ 運転資金がゼロの法人が多く、従い事業費は役員の立替か身銭を切ることがが多い。


2 人材不足問題

 ◆ NPO法人や、ボランティア団体が取り組んでいる活動(事業)の多くは、採算が合わず、民間企業が敬遠している分野である。

この分野は本来、国・県・市町村がやるか、NPO法人やボランティア団体と協働してやる分野である。

NPO法人もボランティア団体も、人・金・物のうち、あるのは人だけであるが、その人すら不足で、しかも人材不足の内容も深刻である。

    ○ 特定の個人に責任や作業労度が集中している。
    ○ 活動の中心となるリーダーが育たない。
    ○ 新しい会員が入ってこない。

今回の静岡県の調査は、本当に有意義であるが、この2つをもっともっと深く調査・考察してもらいたい。 


そして、アンケート質問の最後 問9の深堀り (行政への要望) が最も重要であることを最後にお願いして置きたい。