リニア学習会

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。


今日 (5月4日 日) は、静岡県中部市議会員有志の主催による 「リニア学習会」 に参加しました。


講師は、静岡大学理学部 和田秀樹名誉教授で、テーマは 「リニアは静岡の隆起帯南アルプスを数分で通過する」 でした。


説明の内容は、次のとおりでした。


■ リニア新幹線が通る位置
■ 南アルプスの山々と、そこを通るトンネルの深さ(路面高度)、縦断面
  ◆ トンネルは、400m〜1000mの深さになる。
■ 南アルプスの岩石の種類
■ 南アルプスの地下質と透水係数
■ 南アルプスは未だに隆起している
■ トンネル本体工における漏水対策
■ 土の運び出し口と発生土置き場の場所


シュミレーションの結果、”2t/毎秒” の水が抜けるとの数値が出たとのことだが、あくまでシュミレーションの結果である。


そして、とにかく、分からない事が多く、現状の技術・知識ではチエが届かない、とのこと。


■ 実際のところ、どれ位水が抜けるのか。
■ 抜けたら常識的には戻らないが、戻るのか。戻るかも知れない。
■ ポンプを使って戻した場合、生態系にどういう影響が出るか。温度の高い温泉かも知れない。
 
  ◆ 温度の違う水を汲み上げ、それを流す事になる。
  ◆ 現場の生態系も定かにわかっていない。

■ 掘り出した360万立方メートルの土は、一億年前の土であり、それを山の表面に置いた時どういう結果になるのかわからない。

■ 現場には常時700名の作業員と、設備・機械が入ることになり、これが生態系に与える影響もわからない。


知事からの意見書に対してJR東海側が一ヵ月後、評価書を出してきたが、内容は及第点に達していないという。


これから、JR東海と県の双方で、”モニタリング” をするという。


何をやるかはこれから決めるとのことだが、結果を公開することが大事であろう。


今日は、”肝心な事が分からない”、事がわかったが、基礎的知識は得られ、大変有意義な学習会でした。