生活情報交換会 11月例会「リニアの行方」

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(11月19日 金 am)は、「生活情報交換会 11月例会」に参加しました。

 

生活情報交換会は、某企業をリタイヤ―した数人が、退職後も有意義に過ごそうと、仲間同士の情報交換や有識者の良い話を聞こうと集まったのがきっかけで、今日は134回目、35名の出席でした。

 

今日の講演の題目は、現在何かと話題になっている、リニア中央新幹線建設の環境影響に係る県とJR東海の対話の状況」講師は、静岡県くらし環境部 渡邊光喜参事さんと、長谷川主事さんでした。

 

去る7月16日、同じタイトルで、島田市の住民説明会でも話があり、筆者は2度目の聴講でした。

 

2度とも冒頭で、静岡県は、中央新幹線整備事業の必要性については賛同しています」、その上で静岡県の願いは、「事業の実施前に県民が安心できるレベルの環境影響評価を実施してほしい」であり、決してやめろとは言っていない。このためにJR東海と対話を進めているとのこと。

 

県の内外から、「静岡県はリニアそのものに反対ではないのか」の問合せや指摘があるが、静岡県が、あたかもリニアそのものに反対をしたり、邪魔をしていると思われているのは誤解である。と講師は力説しました。

 

本件は、説明終了後の質疑応答で、誤解の原因は、「選挙でリニアを争点化して、丁寧な説明なしで、短いフレーズで反対を煽った知事にあるのではないか」との指摘発言がありました。

 

講師からは、誤解は県内よりは県外の人に多く、丁寧な説明ができなく苦慮しているが今後は充分留意して行きたいと回答がありました。

 

このあと、今回の計画の内容や難易性についてわかりやすく丁寧な説明があり、3つのリスク(1)水の減少問題 (2)生態系のくずれ (3)盛り土の崩壊問題 は、一筋縄ではいかないことを聴講者は良く理解できたと思う。

 

  ■ 中央新幹線の整備計画の概要 ■ 現地の南アルプスの工事環境 

  ■ 地質構造の特殊性 ■ 工事の難易度 ■ 生物多様性の実態 

  ■ 大井川の水の使われ方や水への思い ■ トンネル掘削によるリスクなど

 

そして、過去12回の有識者会議を通して、リスクを認め対処方法を議論ができるようになってきたと成果を披露、今後はさらにトンネル湧水を大井川に全量戻すための現実的方法の検討に入っていきたいと、抱負を述べました。

 

最後に、命の水である大井川の水資源と、ユネスコエコパークに登録された南アルプスの自然環境を守るため、JR東海からわかりやすく納得のできる説明を期待して、対話を進めて行きたい、あくまでJR東海の対応次第であると講演を締めくくりました。

 

今日の説明を聞いて、泥沼からは少しづつ抜け出し、良い方向に変化を感じましたが、未開地で予測が非常に難しいことであり着地が全く予想できない。

 

政治決着や落とし所を探ったり、条件闘争に入る気配もないが、時間をかけて県民の納得する道を見つけ出すしかない。

 

時間はまだまだかかりそうだ。

 

渡邊さん、長谷川さん、今日はご苦労様でした。