リニア問題、トップ会談

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

一昨日(6月26日 金)、静岡県川勝知事と、JR東海金子社長のトップ会談が県庁で行われ、そのすべてがインタネットを通じて動画配信がなされました。

 

しまだ環境ひろばは、政治に介入するつもりは全くありませんが、市民環境活動団体の立場から意見を申し述べます。

 

一昨日のトップ会談は、先ずは準備工事に着手させてほしいとの金子社長のお願いに対し、川勝知事は、準備工事+本体工事の広さが、条例適用に該当すれば協定の手続きに入ってほしい、と言い、工事の着手に応じませんでした。

 

条例は、開発をしようとする現地の広さを指定し、環境調査を踏まえ、環境維持改善策を掲げて、協定の締結を命じているものです。

 

こんな話を今頃していることが非常におかしい。

 

工事現場が、条例が適用される広さ以上か否か、以上ならば協定が必要なことは当然分かっているはずであるが、JR側は初耳のようでした。

 

現地は、大井川の源流に位置し当然水の減量問題があり、あまり議論になっていませんが、現地は新潟県糸魚川から大井川に至る日本最大級の構造線が走り、今でも隆起と崩壊が続いている地域です。

 

大井川の上流の南アルプスの山々も、下流域の牧之原台地なども遠い昔、地殻変動によって出来たと言われており、まだ活発に動いているそうです。

 

現地の今後の状況を、正確に予測できる人はいない、と言われています。

 

大井川の上流の山々は3,000m級で、約180kmを流れ下り、昔は大洪水の歴史であったと言われています。

 

この落差を利用して、上流域には、多くの発電所とダムが建設されて、大井川は電源開発のメッカになっていますが、もし大崩壊が発生すれば、ダムの決壊で中・下流域の被害は想像を絶するものになることでしょう。

 

経済発展と環境維持は調和だと言われていますが、このように良く分かっていない未開の地に、本来手を付けるべきではなかったのではないか。

 

しかし、ここまで拗れてしまった問題をどうするのでしょうか。

 

有識者会議で、大丈夫だ! の見解が示されるとはとても思えませんし、環境と引き換えに条件闘争に入れるような状況には全くなく、事態は袋小路に入っています。

 

リニアには基本的に反対はしていない。工事に入るには条例に基づいて協定が必要だ。とする知事。今、着手しないと間に合わないとするJR東海社長。

 

島田市長は、トップ会談が、基本的問題(一滴たりとも水は減らさせない。)に入れなかったと感想を述べていますがその通りです。

 

肝心な、環境問題はどこに行ってしまったんだろうか。