NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
しまだ環境ひろばは、環境問題を地域から解決していくため、島田市や周辺地域の市民や事業者や行政と協力して、「望ましい環境像」を実現をするための事業を行い、これをベースにして、地域環境の改善に寄与することを目的としています。
従って、「リニア問題」は、一大関心事です。
去る7月15日号「広報しまだ 市長羅針盤」に、「どうすれば水を守れるか リニア工事を巡る現在の状況」と題して、染谷島田市長の公式見解が掲載されて、島田市民に公開されました。
この広報の中で染谷市長は、次のように強調しています。
■ 先の静岡県知事とJR東海社長会談は、ヤード工事の是非をめぐる科学的・技術的な議論にならず、「環境保全協定」の手続き論のようなかみ合わない話になってしまって、会談を視聴した方々は具体的な論点を見いだせなかったのではないか。
■ 水はどうしたら守れるのかを、私たちは知りたいのです。そうして、大井川流域の命の水を守りたいだけなのです。
■ 今私たちにはたくさんの不安があります。不確実性のリスクはあっても、JR東海は、科学的データを示してこれらの事柄を丁寧に説明し、住民の理解を得なければ工事の進捗は難しい。
さて、昨日(8月21日 金 午後)、島田市の自治会長が出席する「自治推進委員会」があり、冒頭の挨拶の中で染谷市長から、リニア問題に関して次のような話がありました。 (オンライン会議方式でしたので公開可と判断しました)
基本的には、7月号の広報しまだ 羅針盤の市長報告と変わりませんでしたが、JR東海の対応を厳しく戒めるものでした。
■ 普通これだけの大事業を行う時には、地権者(今回は自治体)に、何回も何回も足を運んで説明・説得があってしかるべきだが、JR東海から未だ具体的に一回の説明もない。
■ 南アルプスの生態系や環境問題も、何が心配でどんな問題があるのか、未だに具体的にわからない。
JR東海は大変急いでいるようだが、自治体は全く急いでいない。染谷市長は、この困難な状態を打開するためには、とにかく科学的根拠に基づいた議論が必要だと強調し、報告を閉めました。
現地、大井川の源流の間ノ岳周辺には、日本最大級の構造線が新潟県の糸魚川付近から走り、未だに崩壊と隆起を繰り返している地域です。
大井川には、15程のダムや発電所があり、水は100%ダムに溜まり日本の水力発電のメッカとなっており、トンネル掘削工事やその後のリニアの振動で、隆起や崩壊を助長したら大変な大惨事になる可能性もあります。
本件は、いまだ専門家から公式には一度も提起されていない。
リニア問題はどうやら簡単には行きそうにない。
やはり、ここはもう一度原点に戻り、JR東海はしっかり説明すべきと思います。