どうすれば水は守れるのか。
NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
7月15日号 広報しまだ 市長羅針盤に、「どうすれば水を守れるのか」と題して、リニア工事を巡る現在の状況報告がなされました。
報告は、
■ 6月26日の川勝知事とJR東海金子社長のトップ会談は、残念ながらヤード工事の是非をめぐる科学的・持術的議論にならず、環境保護協定の手続き論のようなかみあわない話になってしまった。
■ リニア工事に伴う水問題も、南アルプスの環境問題も、今後は具体的に何が心配で、どんな課題があるのか、県と流域市町は何を求めているのか、それらについて解決策はあるのか。具体的に話合い、解決への道筋を分かりやすく示す必要があるとしています。
■ 私たちはリニアに反対しているわけではありません。ただ、大井川流域の命を守りたいだけなのですと述べています。
今、大井川は嘗て電源開発のメッカに指定されて15のダムや発電所が設置され、水はダムから発電所へ、発電所からダムへ、山中のトンネルの中を流れ、水量は完全に100%管理されています。
1989年の「水返せ運動」により、塩郷えんていから夏場3t/冬場5tの水が放流され、それと周辺の支流から流れ出る水だけが、大井川の本流に流れているに過ぎないのです。
あと地下水は、「大井川地域地下水利用対策協議会」にて、15の観測井戸にて毎年定点観測を行い、その水位は数十年極めて安定しており、水量も管理下にある。
従って、リニア新幹線のトンネル工事で、もし水脈が変って静岡県以外に流れたりして水量が減ればかなりの確率で減量は分かる。
大井川の水は、川に流れる水も、トンネルの中を流れる水も、地下水も現在完全に管理されているのです。
それを前提として、有識者会議が水の減量をどのように科学的・技術的に解明できるのか、また環境や生態系にどういう影響が出るのかをどう分析して分かり易く説明できるのかがカギとなります。
これまで、大井川の上流(南アルプス)の、地形・地質・地殻などについて、いろいろな先生方から自論を聴いて来ましたが、危ないという方はたくさんいましたが、安心だという方にはお目にかかれませんでした。
更に、水の心配も去ることながら、現地には我国最大級の構造線が走っており、現在でも隆起と崩壊を繰り返しており、もし大崩落を起こした時、大井川には15のダムがあり、これが崩壊したら、とてつもない災害になると言っている学者もいます。
島田市 染谷市長の言われるように、もはや条例の手続き論や条件闘争ではなく、科学的・技術的見解が待たれるわけですが、果たしてそれが出て来るか、非常に心配します。
ハードルは非常に高くなりました。