島田市、「市内一斉の川ざらい」中止に思うこと。
NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
来る4月18日(土)~19日(日)に予定されたいた、「島田市 市内一斉川ざらい」が、新型コロナウイルスの感染拡大で中止と決りました。
屋外作業だからできれば決行したいところですが、市長も苦渋の決断でしょう。
島田市の市内一斉川ざらいは、一年に一回、この時期に自治会の隣組を挙げて行われるもので、川に溜まったヘドロや土砂を掻き出し、外部に運び出すもので、島田市にとってはできれば中止にしたくない年中行事であり、また隣組の絆づくりにも一役買っている場でもあります。
残念ですが、来年また同じ時期に、2年分の土砂を処理することになります。
さて、語り出せば長い話になりますが、島田市と「川ざらい」は切っても切れない環境にあります。
■ 島田市の遺産(財産)は、何と言っても、「大井川」でしょう。
■ しかし、今、大井川には、10%の水しか流れていません。
■ どこを流れているかと言うと、上流にあるダム~発電所、発電所からダムへ、その間の殆どをトンネルで繋ぎ、その中を大井川の水は流れています。
■ 大井川の上流には、15ヶ所以上のダムや堰堤と水力発電所があり、大井川は電源開発のメッカです。
■ 発電された電気は、主に新幹線の動力や大都市に供給されているとのことです。
■ 上流の発電所で発電のため使われた水は、上流域最後の、「川口発電所」に集められて使用後、神座分水口を経て、島田市の赤水という地域に流れ出て、そこからいくつかの分水工を経ながら、島田市の中を網の目のごとく、用水路となって流れ、それがまた、南は、吉田・大井川町へ、東は藤枝・焼津へ流れ下っています。
島田市内を網の目のごとく流れている用水路には、発電で使い終わった水が流れていますが、ダムから発電所 発電所からダムへと、その間はトンネルの中を流れていますので、いつも濁っています。
■ 濁った水には、土砂が溶けているわけで、市内の用水路にはそれが沈殿してヘドロ化しています。
■ また支流や、田んぼからも、用水路に流れ込み、土砂が溜まります。
そんなわけで、島田市の川ざらいは必然的行事です。
水が濁っていることが原因ですが、島田市を流れている用水路の多くは、3面コンクリート、もしくは4面コンクリートで覆われ、全く自然を感じられない風情となってしまっています。
きれいな水が流れていれば、こんな暴挙はしなかったと思います。
旧島田市街には、川底も両岸も土の自然な川は殆ど見当たりません。
中流域~下流域の大井川には、たった10%の水しか流れておらず、90%は覆われた用水路(地下)を流れており、島田市の大井川の遺産はどうなっているのでしょうか。
これで市民に愛されている大井川と言えるのでしょうか。
電源開発の犠牲の川、「大井川」、だけど何とか、大井川の価値を考えた施策を打ちたいものです。
こんな大井川でも、考えれば利用価値はいっぱいあります。
みんなで考えてみよう!