今こそ、大井川の水と恵みを具体化する時

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

島田市と言えば大井川、島田市民は自分達の町を思い浮かべる時、大井川を連想することが多く、市の総合計画や環境基本計画にも「大井川に育まれた水と豊かな自然」というような表現が目立つ。

 

市のど真ん中を、川幅約1000mの大井川が流れていますが、川の中には10%の水しか流れておらず、殆ど石ころばかりで「河原砂漠」と比喩されています。

 

大井川の本流はダムから発電所へ、発電所からダムへと山の中のトンネル内を流れて、最後は街の中のコンクリートの用水路の中を流れ下っています。

 

用水路の多くは3面コンクリートで、その多くは蓋もコンクリート板で密閉され、市民の目に触れる用水路は少ない。

 

しかも用水路に流れる水はダム~発電所へ、トンネル内を流れ下って来ているので、常時薄みどり色(地元では、笹の裏側の色に似ているので笹にごりと呼んでいる)に染まり全く清潔感を感じません。

 

地上を流れる大井川の水は前述の通りですが、大井川が作った扇状地の地下には、豊富できれいな水がたっぷりと蓄えられています。

 

昔は扇状地の至る所から地下水が自噴し、今でも下流域(吉田町・焼津市藤枝市)の一部では自噴し、市民の水汲み場や公園等憩いの場所になっています。

 

大井川の河原砂漠の中では、今でも伏流水が湧き出ている箇所が何カ所もありますが、遠くから眺めるだけで、市民の憩いの場所にはなっていない。

 

 ■ 大井川地域地下水利用対策協議会の事務局が、扇状地15カ所の定点観測を行っていますが、過去数十年に渡って豊富な水位を保って今日に至っています。

 ■ 大井川の扇状地には数百社の民間企業が進出し地下水を汲み上げています。

 ■ 民間企業の中には、ビール会社・ラムネ屋さんなど水を売り物にしている企業も多く静かに使っており、大井川の水(南アルプスの水)の良さを前面に打ち出した戦略はとっていない。

 ■ 扇状地に存在する市町は、上水道の一部は地下水を汲み上げて利用しています。

 ■ 地下水調査は水位の他に塩水化調査も行っていますが、これの数値も安定しており、吉田海岸にある「K飲料会社」さんが、海岸端に工場を構えて今も健在であることが物語っています。

 ■ 島田市有識者によると、大井川の最下流域(海岸端)には、多くの水害により土砂が運ばれ、海岸端に分厚い「泥流層」が積み上がり、海水の流入と地下水の流出を防いでおり、これが地下水豊富な理由だという。

 

島田市は大井川とういう世界に誇れる財産を持ちながら、今一有効に活用できていないし、市民も大井川を連想しながらも、殆どの市民が「大井川に親水意識」を余り感じていない。

 

毎年発行されている「島田市環境報告書」の市民の大井川の水環境の関心度調査は、50%そこそこの市民しか関心を持たなく、毎年度「要改善」の評価となっています。

 

これから島田市がやらなければならないことは、計画の冒頭表現だけではなく、具体的に「大井川の水と恵み」を最大限に活かすこと、市民の大井川の水環境の関心度(親水意識の向上)を高めることであると思う。

 

市内の公園に児童のための「地下水の小さな流れと水たまりを作る」ことや、市内に網の目のごとく流れている用水路を活用して複数の「小水力発電」にトライすることは、市民の大井川への関心度を高めるにはうってつけの素材になると思います。

 

他にも知恵はいっぱいあるだろうけど、島田市と言ったら大井川、水の都「島田市

今一つ淋しくないか。