「生活情報交換会 10月度例会」は、徳川家康と  安倍川物語

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。


いつも環境保全活動だけでは、知識も考え方も偏り、世の中を広角的に見れなくなりますので、努めてセミナーや講演会、あるいは他の団体活動には参加するようにしています。


今日 (10月21日 金 AM) は、「静岡・生活情報交換会 10月例会」 に参加しました。


月に一回、良い話を聞こうと集まった同会も、今回で60回位になりました。


最初は某企業の退職者数人から始まりましたが、今や会員も60名、出身企業も多岐に渡り、さながら異業種の集まりのような様相になってきました。


今日の参加者は、38名でした。


今日の演題は、徳川家康公と安倍川物語」 (歴史を知り、防災に備える)


講師は、国土交通省中部地方整備局 静岡河川事務所 細野貴司課長 さんでした。


冒頭、地方整備局は、県・市の枠を越え、地域に必要な社会資本整備を考え、国土保全上、国民経済上特に必要な河川・港湾・道路・公園などの整備、管理を行っているという機能の話から始まりました。


中部地方整備局は、三重県・愛知県・岐阜県・長野県(南信)・静岡県の5県を担当しているとのこと。
 

本題の安倍川の話は、次のような説明から始まりました。


(1)安倍川の特徴


  一般的な河川に比べて、


  ① 流れている水の量は少ないが、大部分は地下に流れ込んでいる。
  ② 砂利の大きさが、大きい。
  ③ 水がきれい。
  ④ 一旦大水が出ると、暴れ川となる。
  ⑤ 河川敷が広い。
  ⑥ 流域の山は崩れやすい!
  ⑦ 国内有数の急流河川 (標高2000mを僅か50km下り終える)


(2)安倍川の治水史

  ① 昔は、安倍川と藁科川は別々に流れていた。
  ② 今から400年前、駿府の町を洪水から守るため、徳川家康は、「薩摩土手」 を造り、安倍川の流れを西側に移した。

(3)近年の安倍川災害

  ① 1828年 大風雨による水害 → 約200年前
  ② 1914年 台風による水害 → 約100年前
  ③ 1974年 台風8号による水害 (七夕豪雨)  42年前

  上記の歴史からみて、次の水害は、いつ起こっても不思議ではないという。


(4)近年の気象の特徴


  ① 頻発する集中豪雨 〜 局地的な雨は増加傾向
  ② 時間当たり、100mmを越える大雨の発生
  ③ 100年後の地球の平均気温は、1.8〜4.0度上昇


(5)今後の備え


  ① 増大する施設の維持管理・更新費で、災害が発生した河川のみしか予算がつかなくなる可能性大。


(6)今後の課題


  ① 抑制される公共事業費  だから、減災から克災へ (自助・共助へ)
  ② 流域全体で、災いをいなす! (災害は完全に防ぐことはできない)


今日の講演は、


これからは、公共事業費は先細りし、維持管理・更新費で手一杯! 新設や予防対応まで手が回らないという話が、一番重要な部分と感じましたが、全ての国民に良く説明すべき問題だと感じました。


最近、別な市政説明会で、「水道管の老朽化で災害時破裂する危険が大きいが、資金不足、料金も上げられず困っている」 との話を聞きました。


聞いていた市民はすっかり驚いてしまいました。


何があっても、水道管の破裂は困る!


ライフラインや、防災対策は、国民に情報をしっかり公開して、しかるべき予算確保をすべきと思う。国民も必要性がわかれば納得します。


その後、水道管の老朽化の話は、市民に良く説明し、水道料金の値上げの話がついたと聞いています。


今日の最後の話は、国民が良く理解するまで話す必要がある話と受け止めました。


今日は、歴史副読本 「徳川家康公と安倍川物語」 の話を聞いて終了しました。