令和6年度から始まる「森林環境税」に寄せて

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

木々もすっかり色付き、大豆の葉っぱも落ち、漸く秋の気配が濃くなってきましたが、最高気温25度以上の夏日が140日を超えたり、突然に雹が降ったり、明らかに地球温暖化による気候の変化が見られます。

 

世界の各地で気候変動によると思われる気象の変化が見られ、同時に大災害が発生しています。

 

地球温暖化防止対策は、「CO₂の吸収=森林の保全」・「省エネなど技術革新」・「再生可能エネルギーの創出」が、3大対策と言われています。

 

その中で「CO₂の吸収=森林の保全は、治山治水や山奥の森林の保水力を高める見地からも極めて重要な対策です。

 

これには、人材の確保並びに多額の森林整備費が必要です。

 

よって国は2019年より、臨時措置として「森林環境譲与税」を設定して、国庫より人口比に応じて自治体に配布をして来ました。

 

ところが、森林面積は人口に比例して存在しているわけではないので、自治体によっては全く足りない自治と、予算が余る自治が出て来て、配分の見直しの声が高まっていました。

 

そこで国は、令和6年度(2024年度)から本格的森林整備のための新税「森林環境税を導入し、国民に一律で年間1,000円を課して森林の整備を進める計画です。

 

配分は、私有人工林面積・林業就業者数・人口の3要素を勘案して配分の是正を図る。

 

財源は現在東日本大震災の復興」に充てている財源を付け替えることにしているため国民の負担は変わらないが、森林整備財源を国民が直接に負担する形になる。

 

さて第二の問題は、神奈川・三重・静岡県など森林面積の多い県は、既に独自の「森林税」を設けており二重の負担になる。

 

静岡県は国から支給される「森林環境譲渡税」とは別に「森の力再生事業」として「森林(もり)づくり県民税」を県民一人当たり年額400円を課し、過去5年間森林整備を進め、令和7年度まで継続を決めています。

 

過去5年間の森林整備はそれなりに進んでおり、令和3年度から7年度までの整備も5,600ヘクタールの荒廃森林の再生を目指しています。

 

いろいろな指摘はありますが、一刻の猶予の無い地球温暖化防止や治山治水、保水力を高めることは、何を置いてもやらなければならないことで先送りできません。

 

何とかここは国民負担は容認して、積極的に進めてもらいたい。

 

そうして、派生的に出て来る間伐材の利用(バイオ発電・間伐材販売)や、国産材木の事業化に結び付けて、林業が自活できる体制にすべきだ。

 

国民のお金を私有の森林整備に注ぎ込むわけだから、全てガラス張りで公表をしてもらいたい。

 

インフラ(電気・水道など)と同じ様に、森林整備は欠かせない公共事業だ。しっかりやって貰いたい。