静岡県の「森林(もり)づくり環境税」と、政府の新税「森林環境税」

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

静岡県は、県土の約70%は森林で占めており、これをどう維持管理していくか、県政の重要な課題となっています。

 

このため、赤ちゃんからお年寄りまで、県民一人当たり年間400円を県民税に上乗せして徴収し、荒廃した山奥の私有林を中心に整備をしています。

 

本来、私有林は持ち主の責任で維持管理されるべきものですが、放置森林が多くこのままほったらかしはできないので、仕方なく「もりづくり県民税」を使って整備しているのが現状です。

 

静岡県のホームページを覗くと、「もりづくり県民税」 は次のように書いてあります。

 

 ■ 静岡県は、荒廃した森林を再生し、山地災害の防止や水源のかん養などの「森の力」を回復させる「森の力再生事業」の財源として、「森林(もり) づくり県民税」を平成18年度から導入しています。

 

 ■ 平成27年度までに12,374haの荒廃森林を整備しましたが、この10年間で森林所有者による整備が困難な森林では新たに荒廃が進行しており、山地災害発生のリスクが高まっています。

 

 ■ このため、「森の力再生事業」を継続することとし、「森林(もり) づくり県民税」は、税率等は変更せずに課税期間を5年間延長して、令和2年度まで御負担をお願いすることとしました。

荒廃森林を再生し、森の恵みを次世代に継承するため、引き続き皆様の御理解をお願いします。

 

一方、政府は現在、個人住民税に一人1000円を上乗せして、東日本大震災の復興財源に充てていますが、これを2024年から「森林環境税」に衣替えすると発表しています。

 

当然ながら、「森林環境税」は、各自治体に配分されるわけで、静岡県の「森づくり県民税」は、これに吸収されるものと思われますが、まだ正式の説明はありません。

 

昨今の超大型台風の襲来で、山奥の放置森林の荒廃や崩落は目に余りますが、水害の要因にもなっていますので、整備は欠かせません。

 

県の、「森の力再生事業」はそれなりの成果を上げましたが、新税になっても、引き続いてしっかりやってもらいたいものです。