NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
去る9月23日(水)の日経新聞朝刊 23~25頁に「日本が持てる資源 都市鉱山」と題して、家庭用電気製品や携帯電話に使われている貴金属の実態とその有益性を報じる広告記事が掲載されました。
一面広告 3枚の大広告だ。
「都市鉱山」とは、廃家電や廃携帯電話などに含まれる貴金属や希少金属(レアメタル)のことで、これを回収しリサイクルする事業が拡大しているという。
鉄やアルミ、銅など埋蔵量の多く精錬もし易い金属は「ベースメタル」、埋蔵量が少なく抽出が難しい希少金属は「レアメタル」と言われる。
レアメタルのうち、ネオジム(磁石の中で最も強力)を含む17元素は、「レアアース」と言われ電化製品の高性能化に不可欠だという。
また、混ざりけのない安定した性質を持つ希少性の高い金や銀、プラチナなどは「貴金属」として扱われるという。
日本の鉱山の大部分は閉山しており、殆どが輸入に頼っている状況。
日本国内に製品や材料として輸入される量から国外に輸出される量を差し引いて、「蓄積量」を試算したところ、金は6800トン、銀は60000トンもあることが分かり、日本は相当な「都市鉱山資源国」だということが明らかになったという。
■ 1台のパソコンの金の使用量は約0.3g、銀は0.84g
■ 携帯電話1台の金の使用量は約0.05g、銀は0.26g
自然の金山にある1トンの金鉱石から取れる金が約5gであることから、パソコンなどの含有率はかなり高いという。
全国に散在する使用済み家電から、如何に効率的に回収するかがカギとなる。
次に、回収したものを種類別にどう効率的にふるい分けリサイクルするか。
■ 先ずは手作業で解体し、基板などを取り出す。
■ そのままの形でリユースできる部品を取り出す。
■ そのあとは機械的に粉砕する。
■ プラスチックや金属が混ざった破片を磁力や電流を使ってふるいにかけて金属別に選り分けて行く。
■ 選別した金属は種類ごとに精錬して行く。
最近は、粉砕する前に使えるものは全て選り分ける技術も進んでいるようだ。
東京オリンピック・パラリンピックの選手に贈られるメダルの全量は、「都市鉱山」から賄うことが決定されて既に回収し、目標を達成しているという。
廃棄物の中に眠っている宝の山は、「都市鉱山」として着実に姿を現しつつあるという。
ある学者が言っている。「100%リサイクル・リユースが進めば新たな資源輸入はなくなる!」と。
焼却したり、埋め立ててしまえばただのごみ、リユース・リサイクルは宝の山、引いては地球温暖化防止の最良策だ。