「燃えるごみ」は、なぜ減らないのか パートⅡ
NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
燃えるごみは、なぜ減らないのか。
1.雑紙の分別が徹底されていない。
2.生ごみの水切りが徹底されていない。(市のごみ収集車に依存する家庭)
3.生ごみの堆肥化に挑戦する家庭が少ない。
1項と2項は、日頃染みついてしまった安易なクセや慣れを、市民・事業者・行政が一体となって直せば、ごみは減り大きな経費節減になります。
しかし、3項の生ごみは、環境改善の強い信念をもって取り組まなければ、成果は出ません。
今回パートⅡでは、3項の生ごみの堆肥化について詳述します。
島田市では、生ごみの堆肥化(自家処理)は、これまでいくつかの市民環境団体が一般市民への普及活動を目的に大変熱心に取り組んできました。
■ 「ぼかしネットワーク しまだ」→ ボカシを基材として堆肥づくり
■ 「金谷ライフクリエータサークル」 → 生ごみ処理器「キエーロ」の普及活動
■ 「川根町 桜花会」 → ピートモス・もみ殻燻炭を基材として堆肥づくり
■ 「金谷 生ごみ研究」 → 杉チップを基材として堆肥づくり
■ 「NPO法人 しまだ環境ひろば」 → 腐葉土式堆肥づくり
→ さんさんBOX式堆肥づくり
しかし、最近は当該団体の高齢化や後継難に見舞われて、「金谷ライフクリエータサークル」と「しまだ環境ひろば」を除いて、解散や活動を休止し、すっかり機運が萎んでいます。
島田市は、金谷ライフクリエータサークルさんと連携・協働し、生ごみ処理器「キエーロ」に補助金を付けて一般市民への普及に努めていますがなかなか普及が進みません。
※キエーロとは、名前のごとく黒土に生ごみを混ぜて消してしまう生ごみ処理器です。
結果も出ており、是非普及させたいものです。
しまだ環境ひろばでは、平成26年度の「島田市まちづくり支援交付金」を使って、市民活動団体が取り組んできた生ごみの堆肥化方式を3ヶ月間にわたって実験を試みて、その結果を発表しました。
実験でわかったことは、
■ どの方式も、基本通り実践すれば、比較的簡単に堆肥ができること。
■ しかし、ちょっとはしょると確実に虫が湧き、臭いが発生することが判明。
生ごみの処理を一般市民に自家処理してもらうには、やらせる側もやる側も相当な覚悟がいるということだ。
■ 生ごみの自家処理は、虫と臭いは付き物であり、それを理由に挫折は必ずあるという前提で、市民への支援体制を準備する必要がある。
■ 忙しい人は、基本的作業をはしょることがあり失敗を経験する。
■ 一度や二度の失敗や挫折で撤退させてはならない。そのためには直ぐ「生ごみ処理器」を交換し、現場で基本を教え直す指導体制が必要だ。
■ 指導体制は、市民活動団体・環自協・行政の連携・協働で作る。
■ 挫折者を作らないことが肝心。口コミで生ごみの自家処理の良さや楽しさを浸透させ、徐々に底辺(賛同者)を拡大していく。
■ 生ごみの自家処理家庭を飛躍的に増やさなければ、ごみ処理経費は減らない。
藤枝市は、行政による生ごみの集中処理法式を採用し、徐々に対象家庭を増やしつつあります。
島田市は集中方式はとらず、生ごみの自家処理に踏み切ったわけですが、「キエーロ=生ごみの消滅」の普及がなかなか進まない中、市民活動団体が考案した、「生ごみの堆肥化自家処理」を含めて体制を立て直す必要があるのではないか。
この15年間、燃えるごみの量が高止まりし、経費の上昇が止まらない中、何か抜本策を打つ時期に来ていると思います。
生ごみの自家堆肥化は、市民・事業者・行政の連携・協働の最たる課題です。
市民・事業者・行政が同じテーブルに着いて知恵を出し、企画し、実行し、評価し、見直しする体制をつくる必要があります。
その体制を持って、底辺(賛同者)を増やして行かなければ、成果は得られない。