NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
今日(4月30日 金 am)は、「生活情報交換会 4月例会」に参加しました。
生活情報交換会は,、幹事団の努力でいつも良い話を聴かせてもらっていますが、今回で132回目だそうです。
今日は、静岡市出前講座で、題目は、「水道と防災 災害時に備えた水の確保」と題して講師は、静岡市上下水道局 水道総務課 村松主任技師・市川主査・田村主査の3人でした。
今日の講演は大きく分けて、■「静岡市の水道事業について」 ■「災害時の水について」の2つ。
1.<静岡市の水道事業について>
◆ 静岡市の水道は、行政人口約70万人弱に対して、給水人口もほぼ同じで普及率は97.8%だという。
◆ 施設は、① 取水施設(水の取り入れ)② 浄水施設(水の浄化)③ 配水施設(水の配分)の3つに分かれている。
◆ 取水は水源により、① 表流水(6ヶ所)② 伏流水(1ヶ所)③ 地下水(42ヶ所)3種類に大別される。
◆ 表流水と伏流水は薬剤+消毒剤添加、地下水は消毒剤のみ添加とのこと。
以上のことから想定すると静岡市の特長は、
◆ 地下水の取水が圧倒的に多い事から「軟水で美味しい」ことが想定できる。
◆ 地下水は薬剤は使わないとのことから、安くできていると思われます。
◆ 浄化された後の汚泥処理などのコストも余りかかっていないと想定されます。
地下水の水位や水質も定点観測されていると思いますが、何カ所でどのようにされているか知りたいところです。
これだけ地下水取水率が高いわけですから、恐らく地下水の水位と水質は常時安定していると思われます。
ちなみに、大井川の地下水定点観測によると、非常に水位は安定的で水質も良いという結果が出ていますが、島田市の水道は、表流水のウエートが高く、大井川の豊富な地下水や伏流水の恩恵を享受していない。その点静岡市はうまく地下水を活用しているように思います。
2.<災害時の水について>
南海トラフ巨大地震が起こったと想定した「静岡県第4次被害想定震度分布」を基に推定した被害想定は次の通りだという。
◆ 水道管の破裂&震度5弱でタンクの緊急遮断弁が作動し断水に至る。
◆ 従って、発生日の断水率は98%だそうだ。だから自助努力で一人一日3リットルの水の確保が必要だ。
◆ 災害発生3日後のライフラインの被害想定と、7日後の被害想定を比較すると、電力の復旧(5割→2割)に比べて水道の復旧(8割→7割)は非常に遅く、完全復旧は、約1ヶ月必要と想定されるという。
そのためには、水の備蓄と確保が必要で、静岡市の応急水目標は次の通りだそうです。。
■ 地震発生から3日目程度
◆ 応急給水活動(一人一日3リットル)
◆ 個人備蓄の、一人一日3リットル(自助)
◆ 耐震性貯水槽・小中学校受水槽・浄水機付き学校のプール・学校設置2トンタンクの活用
■ 4~10日目程度
◆ 応急給水活動の拡大
◆ 一人一日20リットル 飲料・水洗トイレ・洗面など
◆ 配水幹線付近の仮設給水栓の設置
今日は良い勉強をしました。
筆者からは、「全国的に水道管の耐震化問題がクローズアップされていますが、静岡市の全水道管2600kmの内、耐震化の必要分と耐震化必要経費は?、水道料金の値上げでカバーは可能か?」を質問しました。
席上での回答は、既に水道料金を14%強値上げして、耐震化を進めているとのこと。
南海トラフ巨大地震はいつ来てもおかしくないと言われていますが、果たして今のスピードで間に合うのか。
市民は、非常に心配しています。
水は一日止まっても困ります。
これから、どれくらいの期間をかけて耐震化を進めて行くのか。
お金もともかく、取替を要する水道管がどの程度あって、それをどの程度のスピードで取り換えて行けば間に合うのか、それに一体いくらかかるのか。
14%程度の値上げであればすぐやってもらいたい、というのが市民の声だ。
先ずは真実を説明することが先決だと、今日は訴えたつもりですが、果たして通じただろうか。
今日は、その他の質問は宿題になりましたので、一緒に回答賜わればと思います。