日本は不名誉な「化石賞」を2年連続受賞

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

10月31日から11月12日までの予定で、「第26回 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)」が始まり、100カ国以上の各国代表者の基本方針演説も概ね終わりました。

 

これによると、主要国の温暖化ガス排出削減目標は次の通り出揃いました。インドが初めて「排出量実質ゼロの時期を2070年」と公表しました。

 

       2030年までの排出量目標    排出量実質ゼロ実現の期限 

◆ 日本    2013年比46%減       2050年までに実現

◆ 米国    2005年比68%        2050年までに実現

◆ 中国    排出量ピークアウト        2060年までに実現

◆ EU    1990比55%         2050年までに実現

◆ インド   示さず              2070年までに実現

 

COP26では、前記基本目標の他に以下のようなことが主要議題として話合われています。

 

■ 石炭火力の全廃について

 

英国やフランス・カナダなど46カ国が、先進国は2030年代、世界全体は2040年代に石炭火力を廃止することを盛り込んだ声明を発表しました。

これには日本・米国・中国・ロシアなどは加わっていない。

 

日本は、岸田首相が会場に駆けつけて、非効率な石炭火力は縮小するが、2030年の石炭火力比率は19%は残る」と公表しました。

 

これを受けて現地の環境NGO「CAN]は、11月2日、地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る「化石賞」に日本を選びました。「化石賞」は非常に不名誉な賞で、日本は2年連続受賞です。

 

■ メタンガスの排出量の削減

 

メタンガスは、天然ガスの生産や家畜などで発生し、温暖化ガスでは二酸化炭素(CO₂)に次ぐ排出量になっており、2030年までに2020年比30%減らそうと米国のバイデン大統領が提唱しました。

 

■ 国際排出枠取引の実施ルール

 

先進国が発展途上国で実施する脱炭素事業について排出削減分を分け合うルール化のことである。先進国は半分程度を自国削減分として計上できる仕組み。発展途上国は自分達の削減量が減ってしまうと抵抗しています。どの辺で折り合うかが注目されます。

 

■ 先進国から発展途上国への支援金

 

地球温暖化は、先進国がもたらした地球の危機だ。先進国はもっと発展途上国に資金と技術援助をすべきだと要求しています。先進国もコロナ等で国の財政は深刻になっておりそう出せない。どの辺りで折り合うことができるか。

 

COP26では、「パリ協定」の基本である、産業革命前からの気温上昇を2.0度未満、できれば1.5度以下に抑える」ことを各国がチエを出し合ってどう実現していくかを話し合っています。

 

何とか打開策を見つけてもらいたい。