しまだ環境ひろばが考える「小水力発電」構想

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

英国のグラスゴーで開かれている「第26回 国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)」では、脱炭素(カーボンゼロ)の速やかな実現が大きな課題となっています。

 

日本は、2030年のエネルギー基本計画を次のように示しましたが、石炭火力が19%も残ることで非難されています。

 

 ■ 日本の2030年時点のエネルギー基本計画(新目標)

 

   ◆ 再エネ 36~38%  原発 20~22% 石炭火力 19%

     LNG  20%     石油等 2% 

 

上記の新目標を達成するだけでも大変なことだが、石炭火力を更に減らすには、「再エネ」の拡大にかかっています。

 

再生可能エネルギー(再エネ)=自然エネルギーですが、どこでも可能性があるわけではありません。

 

 ■ 太陽光=日陰や夜は発電はしない。

 ■ 風力=海がない、風が弱い地域は発電は不向き

 ■ 水力=豊富な水や落差のない地域は不向き

 

持てる地域が頑張らなくては、再エネの拡大はできません。

 

そんなわけで、しまだ環境ひろばでは結成以来、島田市に豊富に流れている大井川用水路を活用しての小水力発電に着目し、島田市の環境基本計画」に取り上げるなどして研究・検討を重ねてきました。

 

この十数年、各地の成功事例の視察・勉強会・データや資料収集を経て、もう研究や勉強の時期は終わったと考え、市内のどこかの用水路を使って小さな発電所を作り、それをきっかけに拡大をしたいと考えています。

 

<しまだ環境ひろばの構想(概要)>

 

去る平成27年9月5日 島田市ゆめ・みらい百人会議 発表会で エコまち未来プロジェクト Aチームとして島田市で小水力発電の創出をしよう」市に提案をしています。

 

島田市水力発電ガイドブック」もできています。

 

■ 目的:島田市独自システム」の構築

  ① 災害発生時の緊急電源確保(普段は売電→緊急時電源島田市へ切替え)

  ② 地域ライフラインの確保(付近の街灯・イベント電源確保など)

  ③ 市民活動団体(NPO)支援(市民・児童環境教育活動など)

 

■ 年間発電電力量:10kW/h クラス  87,600kWh/年

■ 場所:大井川土地改良区さんが維持管理している用水路

■ 事業主体:大井川土地改良区さん(計画立案・申請業務・運営維持保全など)

  市・発電機メーカ・市民活動団体及び「島田市水力発電合同検討会」が支援

■ 採算:売電収入と支出(設置費用・設備償却費・施設維持管理費・地域関係者付与・事業者利益など)を勘案し、ほぼ均衡を確認。

 

しまだ環境ひろばは、以上のような基本構想を持っていますが、市は去る3月市議会でM議員の質問に対して、「マイクロ級の小水力発電を市内のどこかでできないか、研究・検討を進めています」と回答。

 

その後の意見交換会で、事業化でななく、市民や児童に小水力発電の仕組みが説明できるような教育用であることが判明しましたが、それはそれで良いことなので推進をお願いすることとし、その次には、防災と絡めたシステム化や、消費者である事業者と組んで実践的な小水力発電を実現したいものです。

 

島田市には、3つの小水力発電(伊太発電所・細島発電所・赤松発電所が稼働して

います。

 

是非とも、4つ目、5つ目を目指したいものです。