長寿社会に最近思うこと。

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

長寿社会を迎えていますが、高齢者の真意はどこにあるのだろうか。

 

我国の百歳以上の高齢者の数は、昭和38年(1963年)153人、平成24年(2012年)50,000人を超え、昨年(令和3年=2021年)の9月現在で、86,510人(男性10,060人・女性76,450人)だそうです。

 

高齢化率で世界のトップを走る日本は、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、100歳以上は2050年に532,000人になるという。

 

筆者の元職場のOB会でも、最高齢の現役会員の一人が今年100歳を迎え、これから予備軍がいっぱいいます。。

 

100歳を迎えた高齢者は人の世話もそんなに受けず、元気で自立している人も多い。

 

内閣府は、去る6月14日、2022年版高齢社会白書を公表し、65歳以上人口は3,621万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は28.9%となったと発表しました。

 

元職場や母校の同窓会席上では、もっぱら高齢化と健康保持に話題が終始する。

 

しかし長寿の歓迎ムードはない。夫との死別による独身女性の数と元気さが目立つ。

 

60歳以上の高齢者が持つ金融資産は、2019年時点で1,200兆円でまだ年々上昇しており、想定外の長生きに備えて退職後も貯蓄を続けているという。

 

65歳以上の労働参加率は25.3%と諸外国よりも高く、65歳を超えても働きたいと思っている人は70%に達し、働く意欲は高い。

 

日本の高齢者率は先進国の中で突き出して高く、これが社会保障費の増大を招き、国の財政を圧迫しているのは確かな事である。

 

しかしこれからも長寿社会がもっと進むことは確かであり、65歳以上の高齢者を画一的に扱うのではなく、元気で好奇心旺盛で意欲のある高齢者に機会を与え、改めて社会参加を促していく政策が必要ではないか。

 

今一つ高齢者が元気がないのは、役立つ出番の不足ではないか。

 

最近の傾向として、元気な高齢者の出番をくじいたり、最初から排除したりするケースも多い。

 

話合いの中に高齢者を入れると会を先導したり、誘導したりして若者の意見がきけないとの理由から最初から高齢者を制限したり、排除するような動きも見受けられます。

 

これは、話し合いのルールの問題であって高齢者特有の問題ではない。最初にルールを徹底すれば高齢者も十分理解はする。

 

確かに高齢者のこうした振る舞いは反省点ではあるが、これだけ長寿社会が進んで来れば高齢者を話合いの中に入れないのは良くない。

 

市政や地域の諸々の問題は、くらしに直結した問題が多く、年齢的にバランスの取れた話合いや意見聴取が必要である。

 

例えば「ごみの減量問題」などは、若者の意見を聞くことは必要だが、くらしの中でごみを処理しているのは主婦や高齢者であり、若者だけに意見を聞く話ではない。

 

くらしの中には、高齢者の経験や知識が役立つ場面はいっぱいある。

 

為政者は、そうした高齢者の出番をたくさん作って行かなければならない。

 

高齢者の多くは、これまでの恩返しの意味を含めて、世の中に貢献し最期をきれいに締めたいと思っている人はいっぱいいる。

 

高齢者も決して先導しないよう、あくまでもアドバイスや指導に徹して、いろいろな場面に積極的に出て行きたいものです。