「生活情報交換会 12月例会」に参加

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(12月16日 金 am)は、「生活情報交換会 12月例会」に参加しました。

 

 ※ 生活情報交換会とは、某企業を退職した同年代の数人が、残された人生を有意義に過ごそうと、互いが持っている情報を交換したり、有識者の良い話を聞こうと立ち上げた会です。

 

設立は平成22年(2010年)ですから今年は12年目で、原則として毎月1回、臨時会も含めて今日の講演会は143回目となり、伝統のある会に育ってきました。

 

今日の演題は、静岡市出前講座「公共施設のあり方を考える~次世代に負の遺産を遺さないために~」でした。

 

講師は、静岡市役所のアセットマネジメント課 森係長さんと桑原担当さんでした。

 

人口減、少子高齢化の中で、社会構造の変化や財政難に対応した、公共施設の必要性やあり方が問われる時代になっています。

 

古い施設や、新しいニーズに基づいて建て替えや新築する施設を、どう効率よく使って行くかは非常に重要な問題です。

 

筆者も某自治体と関りをもつ当事者として、今日は静岡市の実態の話でしたが、新鮮な気持ちで聞くことができました。

 

お二人の講師は役割り分担されて、先ずは森係長さんからは、「公共施設とは?」、桑原担当さんからは静岡市の公共施設の実態」の順で、話が始まりました。

 

森係長さんは、先ずは1950年から今日までの日本の人口推移を棒グラフで掲げ、公共施設は人口の伸びと共に増え続けて来たと説明。

 

平成17年(2005年)をピークとして人口は減少に転じているが、一転してこれまで作り続けて来た公共施設の危機が顕在化して来たという。

 

公共施設は作って終わりではない。躯体も設備も老朽化し、維持費・修理費・撤去費がかかり始めた。

 

日本もアメリカも高度成長の波に乗り作ることを最優先、短期間で大量の公共施設やインフラを整備して来た。特に日本は総人口減少、少子高齢化の進展、生産人口の減少と、財政の悪化に見舞われている。

 

国からは、保有する資産を効率よく維持管理することを求められ、地方自治体は負担の軽減を計り、都市経営の健全性を維持することが重要な課題となった。

 

静岡市「アセットマネジメント推進課」ができたのは、この課題を推進するためであり、頑張って推進を計って行きたいと森係長さんは前段を結びました。

 

次いで桑原担当さんは、私が今日話したいことは次の3つで、これをしっかり覚えてくれたら今日の目的は果たしたと思っていると、結論を最初に掲げました。

 

 (1)静岡市は、たくさんの公共施設があること。

 (2)莫大な費用が掛かること。

 (3)整理統合をどう進めるか。

 

先ずは、静岡市にはたくさんの公共施設があるという話。数で1500施設、広さで230万㎡ 東京ドーム10個分それに加えて、道路・橋・トンネルなどなどインフラが多数。

 

公共施設の種類は、市役所・図書館・清掃工場・学校などなど、温泉施設なども。

 

高度成長期に人口増と共に、市営住宅(79団地7500戸)・学校を増設して来た。

 

公共施設の内で市営住宅と学校が6割を占め、約4割は40年以上前の建物である。

 

静岡市の歳出規模は通常で年間3000憶円、主な経費は総務経費(給与など)・その他経費(維持経費など)・投資的経費に分かれるが、公共施設にかけられる経費は少ない。

 

40年間で試算をしてみると、総額9320億円かかり、歳出可能な金額は年間123億円ほどで全く足りない。

 

静岡市の人口は令和2年度で74万人、令和20年には60万人を割ると推計されている中で、歳入・歳出のバランスが崩れることは必至。

 

必要とする経費は増え、簡単には歳入を増せさない中で、しからばどうするか、が「企画局 アセットマネジメント推進課」の仕事です。

 

課題の解決のためには、歳入を増やし、歳出を減らすことですが、3本の柱(1)総資産の適正化 (2)長寿命化 (3)民間活力の導入)を考えているという。

 

目標は今ある公共施設230万㎡を20%削減する。学校は、40年立替えを60年以上にする等長寿命化を図る。

 

そうして民間企業と協力して、効率化・民営化などなど民間活力の導入を計って行く。

 

最後に、桑原担当さんは3本の柱で推進を計って行くが、みなさんと一緒にいろいろなアイディアを出し合い、最善の選択をして行きたいと説明を締めました。

 

質疑応答の時間に筆者から、3本の柱に「市民力の活用」の追加を要望しました。

 

近い将来、生産人口の減少が財政を圧迫し、行政サービスの削減は避けられないが、「市民でできることは市民がやる」、市民力の活用は至上命題になって行くと思われるので敢えて意見を述べました。

 

今日は、静岡市役所の森係長さん、桑原担当さん、ご苦労様でした。

 

重要なテーマを分かり易く講演され、良い出前講座でした。