「小水力発電情報連絡会」にオンライン参加

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(3月9日 木 pm)は、静岡県農業水利施設を活用した小水力等利用推進協議会主催の「小水力発電情報連絡会」にZOOMを活用してオンラインで参加しました。

 

同協議会には、自治体、土地改良区、コンサル、発電機メーカ、民間事業者等が幅広く150団体余が正会員で名を連ねています。

 

プログラムは、15:00~15:30 事務局からの「報告と情報連絡」15:30~16:00 正会員(3団体)からの「小水力発電取組活動発表」でした。

 

しまだ環境ひろばは、同協議会の正会員として今日の発表にエントリーし、島田川の小水力発電事業計画」の概要を発表しました。

 

          <以下は、今日の発表の全文です>

 

■ 只今、ご紹介頂きました「NPO法人 しまだ環境ひろば」の代表の諸田昌太郎と申します。

■ 私たちは、市民環境団体として島田市環境基本計画」の策定に関わり、計画の中に「市内の豊富な水資源を活用した小水力発電の導入を検討します」と書き入れました。基本計画の中に書いていないテーマは検討の対象になりませんので、とにかく書き入れに努力しました。

■ 今、大井川には僅か10%の水しか流れていません。河原砂漠です。残りは市内の多くの用水路の中を水は勢いよく流れています。用水路のこれだけの水資源を「勿体ないな」と感じない島田市民はいませんが、誰も手を付けません。

■ 私たちは市役所の中に、市民・大井川土地改良区さん・行政の3者で構成する「島田市水力発電推進合同検討会」を立上げました。そうして事業に手を挙げた人が誰でもできるように先ず「小水力発電ガイドブック」をつくり関係者に配ったり、くらし・環境展でPRをして来ました。

■ 次いで、地元発電機メーカさんと協力して候補地の探索や、大井川土地改良区さんの協力で候補地の水を止めて測量を行い、この程島田川水力発電事業計画」をつくり上げました。

■ それが今、画面に映っている計画書の概要で、詳細は発電機メーカさんと共同制作しました。

■ 先ず1の発電所候補地ですが、島田市の向谷地区のうぐいす橋付近にある用水路です。写真の通りたっぷりの水が滔々と流れており、しかも街中の非常に条件の良い一級品の農業用水路です。

■ 次に2の発電機ですが、写真の通り配管工事なしで、落差の下に設置する「水路内設置式」です。

■ 次に3の目的ですが、カーボンゼロへの貢献・地域への非常用電源の供給・市民の環境意識の向上の3つです。

■ 次いで4の発電計画ですが、「全量売電」を考えています。

使用水量は最大で1秒1.0㎥ 常時で1秒0.8㎥ 高低差1m、最大出力10kW、年間発電量は5.1万KW時、一般家庭に換算して約13戸分を想定しています。

■ 問題は5の経済計算、採算性です!

■ 発電機メーカの試算では、初期投資が40百万円、年間売電収入158万円の中で、年間ランニングコストが376万円も掛り、全額助成金か寄付に頼る非常にハードルの高い計画です。

■ そこでしまだ環境ひろばとして考えたのがケース2です。すなわち世の中にある成功事例から見て初期投資は25百万円以下とし、その中で採算が合う設備と工事を選択しようと計画しました。

但しケース2でも、売電収入でランニングコストを吸収できるかどうか、非常に苦しい所です。

■ 資金調達は1/2は助成金但し現在は出力20kW以下は対象外ですので、県に対して対象枠の撤廃もしくは拡大を交渉中です。残りの1/2は、出資金と寄付を考えています。

■ 次に6の地域利用ですが、当計画の目玉です。「災害発生時に広域停電が起こった時、自動で系統電源から切り離して蓄電池に電気を流し、パソコンや携帯の充電や簡単な調理もできるようにしたいと考えています。以上が計画の概要です。

■ しまだ環境ひろばは技術集団ではありませんので、事業主体になる力量はありません。従って現在、事業主体とスポンサー探しのため、民間事業者さんに個々に当たっているところです。

■ 島田市役所は、住民説明会や議会で「市民活動団体もしくは民間事業者が事業主体になるなら全面的な支援をしたい」と説明していますので、要所要所での最大支援を期待しているところです。

■ 発電候補地は一級品、発電機は配管工事無し、この条件で10kW級の発電の事業化ができないのであれば、島田市では永遠に可能性は無くなります。

■ とにかく早く事業主体を見つけ出し、資金手当てに目処をつけて、現在島田市には2ヶ所の小水力発電所がありますが、国営の伊太発電所・県営の細島発電所に続いて、市営の小水力発電所 第一号機の実現に漕ぎつけたいと考えています。   〆

 

2050年までに世界も、日本も、静岡県も、島田市「カーボンゼロ」を約束しました。エネルギー自給率100%再生可能エネルギーで賄たいものです。

 

川の中に発電機を複数台沈めて小さな電気を発電する(小型分散複数台設置)が将来、小水力発電の中で主流化する可能性もある。

 

前途は多難ですが、ガンバロー!