日本一過酷な山岳レース出場の望月選手の講演

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(3月24日 金 am)は、「生活情報交換会 3月例会」に参加しました。

 

 ※ 生活情報交換会とは、某企業を退職した同世代の数人が第二の人生を有意義に過ごそうと、互いの情報交換たまには有識者の良い話を聴こうと立ち上げた会です。

 

静岡市のアイセル21を拠点にして、平成22年(2010年)4月に第一回講演会を開催以来今月で147回目、会員は数十人に、平均年齢は75歳?、多士多彩でみんな元気でレベルの高い高齢者の集いです。

 

原則として毎月第三金曜日に講演会を、その週の月曜日に幹事会を開催しています。

 

筆者は、ちょっと遠いが島田市からの参加で、4回目から会員になり、昨年から幹事会(6名)の仲間入りをして皆出席に努めています。

 

今日の題目は日本アルプス山岳レースへの再チャレンジ」、講師は静岡市消防局・山岳救助隊員 望月 将悟氏でした。

 

講師の望月さんには、4年前の去る2019年3月の生活情報交換会の講演会に登壇願って、「消防局の任務とアルプスレース4連覇」という題目で講演をして頂き、当時望月さんは当山岳レースで4連覇中で絶対王者と言われていました。

 

4連覇で有終の美を飾って後継に後を譲るのが普通の人ですが、望月さんは昨2022年の大会に4年ぶりに再チャレンジ!、みんなが驚きました。

 

昨2022年のレース結果は、既にNHKテレビBS1で何回も放映され、レースの結果は望月さんは見事4位入賞、残念ながら若い後継に優勝を阻まれたが、ゴールした時の望月さんの顔は清々しく、やり遂げた達成感で満ちていました。

 

生活情報交換会の幹事会では、もう一度望月さんに登壇頂き、再チャレンジの胸の内や苦しい中盤の気持ち、ゴール時点の達成感に満ちたあの顔、それらを聴いて望月さんから元気をもらおうと、今回の再登壇をお願いしました。

 

講師の望月さんは冒頭、自己紹介(出身は井川、職業は消防士・山岳救助隊員、年齢45歳)と、南アルプスの自然、そこで働く山岳救助隊の仕事を写真を使いながら順次紹介しました。

 

少年時代は生まれ故郷の井川で、仕事の手伝いや遊びを通して野山を駆け巡り、強い体が自然に出来上がり今に繋がっているのではないか、と過去を振り返りました。

 

山岳救助隊に加わったのは20歳の時だがそれ以来、高層ビルの階段を重装備を付けて駆け上る競争や、東京マラソンで重りを背負ってのレースに出て優勝したり、ギネスブックに載って今でも破られていない。

 

そうして、何でもチャレンジすることによって、「失敗は怖くない、発見がある、出会いがある、経験ができる、いつかは役に立つ、全て自分のためになる」が身について行ったという。

 

何が楽しいのか、記録ではなく、自分との闘いだ。一つ達成すれば自信につながった。

 

とにかくチャレンジ、好奇心、失敗も成功も自分のためになる。それは「山に登ること、走ること、自然が好きだから」できたことだ。

 

ここまで話して望月さんは、漸く本題の日本アルプス大縦断レース 2022」出場の様子を語り出しました。

 

同レースは、日本海富山湾~3つのアルプス(北・中央・南)を大縦断して太平洋の駿河湾に至る全長415kmの日本一過酷な山岳レースだ。

 

開催は2年に一回、出場選手の平均年齢は40歳、人生とは何かが分かってきた年頃、自分を見つめ直すことができる年齢だ。

 

装備も、途中でやめる判断、継続する判断も全て自己判断だ。山小屋宿泊禁止・買物禁止・誰も助けてくれない。賞金、賞品も無し。

 

途中では、肉体も精神も限界、中には幻覚・幻聴に襲われる選手もいる。

 

4連覇を果たした望月さんですら、自問自答したり、不安で眠れなかったり、自己管理ができなくなったことが何回もあったという。

 

最近は、余計なことは考えずに、例えばあそこまで走れば好きなパンがある等、目の前の小さな目標を目指すことにしたという。

 

望月さんの締めの言葉は、「みんながいて最後まで走り切れた、応援力の強さ、ありがとう、感謝! そしてライバルが大事だでした。

 

望月さんの同レースに寄せる思いは、最初の頃と4連覇を成し遂げた頃と今では、大きく変化して来ているようだ。

 

質疑応答の時間に筆者から「4連覇をしての達成感や、やり遂げたという思いがあったと思うが、4年振りに再チャレンジした本当の理由は?、またこれだけの過酷なレースに望月さんを再びチャレンジさせた同レースの魅力は何なのかを問ました。

 

望月さんは、「自分との闘い、自分を越える、チャレンジ、来年再び挑戦するかどうかを今考えている」と回答し講演を締めました。

 

望月さん、今日は元気をふんだんに頂き、ありがとうございました。