「花咲じいさんの灰 開花」の記事に接して!

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

先週の日曜日(3月19日)の日経新聞朝刊26頁 サイエンス版に「花咲じいさんの灰 開花」と言う見出しで、エッと思う記事が載りました。

 

記事の内容は、花咲じいさんのように「開花の時期を繰る物質」の開発が現実味を帯びてきた、と報じています。

 

この背景には地球温暖化があって、温暖化がこのまま進むと各地で気候が変わり、農作物の収穫ができなくなるので品種改良の技術が進んでいるが、この「開花の時期を繰る化合物」をかければ、開花の時期を変え欲しい時に収穫ができるようになるという。

 

まるで夢のような話であり、技術であり、物質だ。

 

例えば、キクは秋を代表する花だが、春の風物詩になるかも知れない。

 

米は、温暖化で夏の暑さで枯れてしまうかも知れないが、開花を早めて暑くなる前に収穫してしまう。

 

寒い地域で、南国のフルーツの栽培も夢ではない。

 

北日本では桜の開花が早まり、九州の南部では桜が咲かなくなってしまう可能性があるという。

 

開花は実りに直結する。各地の産地で名産品がなくなってしまうと、全国の食文化が失われかねない。未来への花咲じいさんへの期待は高まるばかりだと記事は結んでいます。

 

しかし問題は、人間や昆虫への生態系に影響はないのか。

 

記事は植物だけに作用する化合物を探し出すことを紹介しているが、いくら背景に温暖化防止のためのニーズがあっても、絶対に生態系への影響があってはならないことを肝に銘じる必要がある。

 

先週の日曜日は、途方もない記事に接しましたが、現実味を帯びて来たと聞くと心穏やかではいられない。

 

安全性を認可された遺伝子組み換え品、温度に適応した品種改良品、私たちはこうしたものを口にしていますが、そこに「開花の時期を調節した農作物」が登場するとは、関連情報に目が離せない。