滋賀県長浜市の「小さな小水力発電所」を見学

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

昨日(6月9日 金 sm/pm)は、島田川水力発電計画の参考とするため、岐阜県長浜市の用水路に設置された「湖北地域用水環境整備事業の発電機1~4号機」を見学に出張しました。

 

朝からの大雨がうそのように見学日和に恵まれ、現地には午後1:00に到着し、つぶさに見学ができました。

 

現地は平らな田園地帯で、良くこんなところで水の落差を利用した小水力発電ができるな、と思わせるほぼ平らな水田地帯でした。

 

その中を水田に供給する幅約2m余、深さ約2mの用水路に水はたっぷりと流れ、1・2号機は上流部に、3号機・4号機は下流部に設置されていました。

 

小さな落差に優れた能力を発揮する「オープンクロスフロー水車」を採用していましたが、落差の中に沈んでおり全く見えませんでした。

 

ちなみに、島田川水力発電計画も「オープンクロスフロー水車」を採用し、設置費の削減を狙っています。

 

水の一部は、琵琶湖からポンプで汲み上げた水も流れているという。

 

近くに民家もなく、騒音の心配もなく、再生可能エネルギーの創出環境には恵まれていました。

 

 ■ 平成28年(2016年)10月稼働 ■ 年間発電可能:98MWh 

 ■ 最大出力:22KW ■ 最大使用水量:2.0㎥/s 

 ■ 有効落差:2.0m(1.0m+1.0m) ■ 建設費総額:9,800万円

 

見た目、発電機(水車)が用水の中に設置されているだけで、そんなに身構えた考えは不要のように感じました。

 

帰りに、突然の訪問でしたが発電所を維持管理している「湖北土地改良区」さんを訪問しましたが、専務理事のIさんが懇切に対応して下さり、これから計画を推進する我々にとっては貴重な示唆になりました。

 

■ 国の支援(補助金他)で、県の事業として計画・推進された。非常に県が頑張ってくれた。

■ 平成28年稼働し全量売電を開始した。但し一部は地域で使用(電気を買う)している。

■ 用水路は先ずは水田に水を供給することが先決で、派生的にその水を使って環境に貢献する再エネ(小水力発電)を創出、ひいては売電によって琵琶湖の水の汲み上げポンプの電気料金の一部を負担するという目的を明確にして計画は推進された。

■ 高低差が少ない地域を流れる用水路の約800m程を使って4つの落差を設け、小さな落差でも比較的能力の出る「オープンクロスフロー水車」を1~4台設置している。

■ 端境期や災害時の水の調整により、年間安定的な発電や売電を得ることはできないが、あくまでも先ずは農地に水を供給することを第一義として考えている。

■ 次に、こうした小規模の再エネ発電は、市民の環境意識の向上のためであり、売電ありきではないことを目的として強調して置く必要がある。

■ 用水路のごみ取りは、上流部にごみ集塵機を設置している。オープンクロスフロー水車には殆どごみは絡まない。但し水車には泥が付くので定期的な泥落しはやっている。

 

昨日は、水力発電所見学とそれを維持管理している土地改良区さんの貴重な意見を聴取できました。

 

何と言っても、県の牽引力と土地改良区さんと、地元市民が心を一つにすることが肝心だ。できるだけ多くの関係者が滋賀県長浜市の小さな発電装置を見て置く必要がある。