「第153回生活情報交換会 9月例会」へ参加

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

今日(9月15日 金 am)は、「生活情報交換会 9月例会」に参加しました。

 

  生活情報交換会とは、某企業を定年退職した同期クラスの数人が、第二の人生を有意義に過ごそうと、お互いの情報を交換したり、たまには有識者の良い話を聴こうと平成22年(2010年)に立ち上げた会です。

 

静岡市のアイセル21(女性会館)に拠点を置いて、原則として毎月第三金曜日に講演会を開催し、今日は153回目、出席者は30名でした。

 

今日は講師にNPO法人「天使のはね えんぜる」の理事長 杉山昌弘氏の登壇をお願いして障がい者の働く場<えんぜる>の活動」というタイトルで講演をお願いしました。

 

講師の杉山氏は、自身のプロフィルから話始めましたが、地域の社会福祉協議会40年余、障がい者と関りあって来たという。

 

そんな中で、障がいを持つ人たちが山の奥に押し込められたような環境を見るに付け、いつかはみんなと同じ地域の中で暮していける社会を目指そうと思い、今その時代が漸く来ている。

 

3年前に、障がい者施設「えんぜる」の前理事長から、高齢を理由に後継を強く懇願されて引き受けたという。

 

障がい者就労継続支援事業所「えんぜる」は、障がい者作業、訓練を通して先ずは地域社会の中で暮して行くことを目指しているという。

 

主な活動は、■ パン、クッキーづくり ■ 下請作業 ■ 農作業 の3つで、それぞれの作業工程の中で、作業能力や身体機能や知的機能などを考慮して、その日の作業を決めながら参加を促し、楽しく、できる努力をして行くことを目指しているという。

 

そのために、店舗・作業場・調理室などの施設を擁し、7~8名の職員で一日のスケジュール(送迎~朝礼~作業~休憩~昼食と昼休み~作業~休憩~帰りの送迎)をこなしているという。

 

次いで講師の杉山氏は「えんぜるの経営状況」に踏み込んで説明を始めたが、ガラス張りで何も隠すことがないということか。

 

規約上、障がい者が関わった作業は、売上から経費を引いた利益は全て障がい者へ工賃として支払うことが原則で、従ってえんぜるの全体経営とは会計を別にしているという。

 

障がい者が関わる活動の売り上げから必要経費(コスト)を引いて残った利益は300万円で、21名の障がい者に貢献度で按分、多い人で月3.5万円、少ない人で3千円、平均で1~2万円が給与だという。

 

えんぜるの全体運営費会計は、何とか黒字を確保しているという。

 

今後の課題は次の3つ。

 

■ 高齢化と障がいの重度化。障がい者さんはともかく親が高齢化しているのが大問題!

■ 職員のなり手がいない。(人を選ばなければいるがそういう訳にはいかない)

■ 安定した経営(物価の値上がり、補助金アップの連動等)

 

最後に講師の杉山氏は、多くの障がい者や職員と関り、いろんな人と付き合うことで、相手の立場になって考えることができたり、ゆっくり話す人の話をじっくり聞いたり、自分自身の成長につながったと回顧して今日の講演を締めました。

 

筆者が所属しているしまだ環境ひろばは、荒廃竹林や梅林を再生した果樹園や、耕作放棄地を整備した農園を維持管理していますので、嘗ては障がい者さんの体験活動を受け入れて来ましたが、一時的預かりだけでも大変な中、毎日の作業指導は本当に大変です。

 

現代社会は、障がい者さんも健常者も同じ地域の中で暮していける社会づくりが求められており、施設の役割は非常に重要です。

 

大変ですが頑張って頂きたい。今日は杉山さん、ありがとうございました。