NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。
今日(11月17日 金 am)は、「生活情報交換会 11月例会(講演会)」に参加しました。
※ 生活情報交換会とは、某企業を退職した同世代の数人が、第二の人生も有意義に過ごそうと、お互いの持っている情報を交換したり、たまには有識者の良い話を聞こうと平成22年(2010年)に立ち上げた会です。
静岡市のアイセル21を拠点にして、原則として毎月一回第三金曜日に講演会を開いて今日で155回目、会員は最初の頃は某企業の退職者だけでしたが、今では異業種の方々にも広がり総勢数十人規模に、今日の参加者は31名でした。
今日の講師は、フリーアナウンサーの「神谷 宥希枝(ゆきえ)」さん、演題は「AI時代に向き合いたい 生身の声の潜在能力、可能性」でした。
神谷講師は、先ずコロナ禍でリモートワークやオンライン会議等が定着し、私たちの生活がどう変わったか、コロナがもたらした新しいコミュニケーションの出現から話始めました。
ネットやオンライン社会は、良い面もあれば悪い面もある。便利な面もあれば、不要と思われる面もある。例えば、
■ デザイナーが作った「初音(はつね)ミク」というパソコン上の架空のキャラクター、歌って踊ってピアノも弾く、こんな女性とパソコン上で結婚をし、幸せに暮らしている人も出て来た。
■ パソコン上の世界で、一緒に楽しく食事をするなど珍しくない世界がやってきた。心を病んでいた人が、癒され救われ、生きる道を見つけた人も出て来ている。
■ 一方で悲劇も、架空の人物と会話している内に愛憎が芽生え、AIが勝手に推測して死の選択を勧める文書を送って死に至らしめたベルギーの事件。
■ AIで自動音声、生身のアナウンサーに代わり、架空のアナウンサーが登場し、ちゃんとニュースを伝えてくれることが普通になった。
これからは、「デジタル」と「生身のリアル」のハイブリッドで良いのではないか。
神谷講師がいくつかの例を上げて、デジタルの良し悪しや、利便性を解説しましたが、強調したかったことは、デジタルと生身のリアルとは牽制し合うものではなく、うまく補完し合うハイブリッドで良いのではないか。
神谷講師は、生身のアナウンサーの世界に身を置いている。
AIは言葉を扱う機械である。人間と同じではない。AIにはできないが、人間はできることがたくさんある。人間の役に立つ存在として機械の言葉を通して人の言葉を見つめ直す機会にしたいと強調しました。
言葉(ことば)には、AIでは理解が難しい「曖昧性・背景・関係性」、「距離感」、「作用」や「個性」、「裏」や「温度さ」がある。これらは生身の人間でしかできない!
神谷講師は講演の最後に、音を聴く事は健康に良い、人と会話することは人を楽しくさせる。音や声の世界に身を置く者として、声と音でサポートする「声活アプリ」を作成し、「音から潤いを、声から健康を」目指したいと抱負を語り講演を締めました。
AIが台頭する中で生身の人間でなければできないことは何か、葛藤をする中で、これからは「デジタルとリアルのハイブリッド」で良いのではないか、を強調する神谷講師の言葉が印象的でした。
神谷先生、今日は非常に興味深い講演でした。今後のご活躍と発展を心から祈念申し上げます。お疲れ様でした。