浜松市の「ごみの有料化条例」に接して!

NPO法人 しまだ環境ひろば 「事務局」 です。

 

昨日(3月13日 水)の日経新聞朝刊 地方(静岡)版に浜松市「家庭ごみ有料化条例改正案」を現在開会中の市議会定例会に提出している、という記事が掲載されました。

 

内容は、ごみ袋を1リットル当たり1円(普通の45ℓ袋で45円)で販売し、市民は有料のごみ袋を買ってごみを排出することになる。

 

 ※ 市民はこれまでもごみ袋を有料で買っているが、この価格は製造・流通コストのみで、自治体のコスト(回収費・燃料費等)は1円も乗っていないものです。

 ※ 1リットル1円は安いようですが、一袋45円は負担になる。

 

さて環境省が公表している、2021年度の全国のごみの総量は年間で4,095万トン、ごみ処理費用は年間で2兆円超、一人当たり年17,000円に達しています。

 

このため人口減が続く自治体の財政に重くのしかかり、ごみの削減とごみ処理コストの削減は、自治体の最重要課題になっています。

 

人口減や環境意識の向上で、少しづつごみは減少傾向にありますが、ごみ処理コストの上昇は続いています。

 

自治体のコストを加算したごみ袋の有料化実施率は、全国自治体の60%を超え、その多くが「有料化はごみ減らしの有力手段だ」と評価する結果を発表しています。

 

 ※ ごみ袋の有料化で、市民にはコスト負担がのしかかるわけですが、こうした外圧がかからないと、ごみが減らないのはなさけない限りです。

 ※ ごみ袋の有料化で、不法投棄が増えていると聞く。本当になさけない。

 

このため環境省は、「ごみの有料化推進マニュアル」まで策定して、全国の自治体に実施を呼び掛けています。

 

過日、静岡市の出前講座(環境局ごみ減量推進課)静岡市のごみの現状と今後」を聴講しましたが、静岡市もごみの有料化を検討中とのこと。

 

筆者が住む島田市はどうか。

 

島田市人口約10万人弱、年間ごみ処理経費は17億円、一人年間17,000円、全国平均とほぼ同じで、財政への影響は大きく市政の重要課題となっています。

 

そのため過日、市は市議会に対して有料化を事前提案し、市議会は「ごみの減量化に対する提言書」を市へ提出、内容は「市民と良く話合いを」というものでした。

 

島田市は毎年秋に市民満足度調査を実施していますが、ごみ出しの楽さが評価され「ごみ処理・リサイクル」が毎年ダントツの高評価です。

 

市長も、ごみの有料化は「やることをやってからだ」と言っています。

 

しまだ環境ひろばも市議会との意見交換会を実施、所轄課へ「有料化の前にもう一度やることをやって見よう」と提案しその回答を待っています。

 

浜松市も条例の改正案を審議し、恐らく可決されるでしょうが、施行時期は条例に明記しないとのこと。かなり慎重のようだ。

 

なかなか減らないごみの量!、一方で財政を圧迫、もう一度市民の協力を仰いでごみの減量に取り組んで見よう。

 

ごみの減量は、市民の協力で「分別=資源化に尽きる」のです。

 

それでも減らなければ、その時には大手を振って「ごみの有料化」も已む無しです。